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第6話・深い接合
今、自分の目の前には額に汗を浮かべた凌雅がいる。
彼の薄い唇は苦しそうに開閉し、浅い呼吸を繰り返している。
それはまるで達することを自制し、綾人とのこの行為を少しでも長く愉しもうとしているようだった。
「夢、でも……うれしい……」
嬉しくてほろりと涙を流した。
「だから夢じゃないんだけど……もういいや、こうなったら夢じゃないっていうくらい、思いきり抱いてやる……」
凌雅はそう言うと、ベッドに横たわる綾人の身体を持ち上げ、凌雅を咥え込んだまま、対面座位へと変えた。
そうなると、内壁に収まっている凌雅の楔がより深く刻み込まれる。
「やっ、やっ、うそっ! 深いっ、ああああっ!!」
綾人の腰を上下に揺すられると、深い接合が待っている。
刺激された綾人の一物から勢いよく蜜が飛び散る。
「綾人、キスしよう」
低音の声が綾人の耳元でそっと囁くと、綾人は顔を上げ、薄い唇をその目に写した。
「ん……」
薄い唇が綾人の唇を捉え、貪る。
綾人もまた、口角を変えて差し出された舌を自らの舌で交える。
(好き、すごく好き……)
「んっ、っふ……」
繊細な指が、短い漆黒の髪を掬い取り、指に絡める。
「好きだ、綾人今夜は寝かせない」
綾人の気持ちを代弁するようにそう言った凌雅の楔は綾人の内壁の中で今にも弾けそうなくらい、猛っている。
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