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epilog
「えっ、あれ? 本当に凌雅? でもなんで僕は裸なの? しかもここ、どこ?」
疑問ばかりが綾人を襲う。
「俺の別荘。昨日言っただろう? 別荘に行こうって」
「えっ?」
綾人の問いに、しかし目の前にいる凌雅は当然のように答えた。
それはまるで、『明日の天気は晴れなのかな?』『うん、晴れだよ』のようなあっさりした言い方だ。
もちろん、凌雅に恋心を持っている綾人にとって、彼の別荘に来ること自体が大事件だ。
そもそも自分はなぜ、凌雅の別荘に来ることになったのか。
たしか夢の中で彼に抱かれた時、そう言われた気はしたが、しかしそれは現実ではない……はずだ。
なにせ彼と両想いになるのは夢のまた夢だ。
女性にモテる彼が、男の自分を好きになるはずがないのだから……。
「……いつの間に?」
いったいいつ、自分はこの場所に連れてこられたのだろう。
夢と現実がどうも混乱している。
凌雅のひと言ひと言が、綾人の思考を追い詰める。
「俺んとこの執事は優秀だから、ホテルまで俺の車で迎えに来てくれたんだよ。でもって、執事を家に帰らせて、俺がその車を運転して寝ている綾人を連れてきた。もちろん、ホテルを出た時は服はきちんと着せたから問題ない」
二人きりになってから服を脱がせた、だから安心しろ。凌雅はにっこり微笑み、そう続けた。
「……服、着せたのになんでここに来てからも脱がされるの?」
「そんなの、俺が付けたキスマークが可愛い綾人の身体に乗っているのをゆっくり見るために決まっているだろう?」
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