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第4話

「これ、優子さんに」 「…どうも」 「…」 「……」 「…じゃ、また明日」 「…うん」  パタンとドアが閉められ、また家の中でバタバタ走る音がして、すぐに消えた。  …なんなの、あの態度。  久しぶりに幼馴染と話したんだから、少しくらい笑ってくれればいいのに。  そんな俺の思考は、なんて自分勝手なのだろう。  学校に行けば、碧生なんかいてもいなくても同じ態度をしてるのは俺の方なんだ。  数年前までは、自分の家だと思ってた隣の家。  自分の弟のように、仲良しだった幼馴染。  今はきっと、家を囲う塀のように見えない何か硬くて冷たいもので遮られていた。  * 「ちょっと、聞けよ!礼二!!」  教室に入って来たばかりの園田礼二(ソノダレイジ)は、騒がしい声に苦笑いを浮かべた。  俺と同じ182センチの長身でクールビューティな礼二は、中学からずっとつるんでる仲間の一人。  この朝から騒がしい男、安井凌平(ヤスイリョウヘイ)も同じ仲間の一人だが、日頃からこんな風に煩いからかあまりモテはしなかった。  相変わらず女の子に囲まれている俺とヤスの元に、礼二が駆け寄る。  それだけで「レイ様、かっこいー!」と黄色い声が上がった。  …様って、なんだろ。女の子って、よくわかんない。  礼二は眼鏡の位置を中指で直し、机の上に座った。 「…で、どうしたって?」 「まり、昨日優樹菜ちゃんと別れたんだって」 「はぁ?まだ3週間だろ」 「信じられねーよな!あんな可愛い子」 「なんで別れたんだ?今度は長く付き合える気がするって意気込んでなかったか」 「…うっせーな。なんか、めんどくさくなっちゃって」 「あーやだやだ。ちょーっとモテるからって調子こいてる男はすぐ女の子を使い捨てる」 「違うよ!…色々有ったんだよ」 「へぇ?」 「…ま、どうでもいいだろ」

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