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第45話
「A組の友達に聞いちゃったんだ~黙ってるなんて水臭いぜ!」
「……」
「んでんで、付き合ったの?上田さんって頭良いし、真面目そうだけど可愛いよなぁ」
「…」
「ひのっちにすげー似合いそうだよなぁーああいう子」
じわりじわりと、胸の奥の方がチリチリして痛い。
ぎゅぅっと握りつぶされるように、苦しい。
俺に理性が無かったら、ヤスを殴って、碧生に怒鳴りつけていただろう。
理性が有ったから、下唇を噛んで耐えた。
碧生は戸惑いながら、ゆっくり口を開く。
「……付き合ってない」
「えぇーなんでぇ?もったいねぇー」
「…」
「断っちゃったの?まじで?」
「…うん」
「えぇーっ信じらんねぇ」
「…」
「なぁ?まりも知ってるだろ、上田さん」
不意に話を振られて、思わずビクッと身体が揺れた。
…やばい、俺。
今、どんな顔してた?
心底みっともない表情を露わにしてなかった?
くそっ、なんなんだよ。
つられるように碧生がこっちを向いたから、必死に微笑みを作る。
「…あ、あぁ、知ってるよ。A組で百合亜ちゃんの次に頭いい子でしょ」
「頭もいいし、胸でかいんだよな」
「そ、そうそう…顔の割にね。…碧生、」
もったいないじゃん、付き合えばいいのに。
そう言いたいのに、何故か言葉が出なかった。
パクパクと、声の出ない口を動かす。
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