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第63話

 今までの経験を通して、そんな流れを考える。  普段は想像力さえ乏しい脳みそなのに、まるで現実のように思考に浮かべることが出来た。  いきなりホテル…はないよね。  碧生の部屋は止めておこう。あの綺麗な部屋を汚したくないし、なんとなく優子さんに申し訳ない気がする。  やっぱり、最初は俺の部屋かな。  二人きりで、DVDを観る。  カーテンを閉めた薄暗い空間に、肩を並べて床に座りながら。  碧生は何も話さないで、ずーっと真剣に画面を見つめているだろう。  昔から、碧生は集中すると周りが見えなくなる性格だった。  本とかテレビとか。…いつもかまってもらえなくなって、拗ねるのは俺の方だっけ。  あぁ、でも、ふたりきりってことに碧生も意識してくれてるかも。  俺に触れられるの、待ってるよね。多分。  不意に、碧生の手に自分の手を重ねる。  碧生はピクッと身体を揺らして、おそるおそる俺の顔へ視線を移すんだ。 「…毬也」 「碧生」  微笑みかけると、途端碧生は恥ずかしそうに目を逸らす。  くっ、かわいいなぁ、碧生。  暗闇にうっすら分かるピンク色の頬を指でなぞって、優しく俺の方へ向けて顔を寄せる。  戸惑う碧生は、きっと眉間に力を入れつつ目を瞑る。  最初は優しいキス。  唇を離す間もなく、こじ開けるように舌を恥じらう碧生の口の中へ入れ込む。  きっと、碧生にとって初めてのキスだろう。  柔らかい舌を攻め立てて、碧生の身体が何度も反応して…。 「…」  …やばい、本当に勃っちゃったよ、俺。  おなかのあたりが、すごく熱い。  えっちな本なんかより、ずぅっとえっちな気分になった。

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