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第64話

「…碧生」  唇を離すと、すでにハァハァと息が上がっている碧生。  目はきっと、熱で侵されてて潤んでることだろう。 「…毬也」 「…碧生、好きだよ」 「…」 「碧生、続きしていい?」 「…続き?」 「うん、キス以上のことしていい?」 「…」  もちろん、碧生に拒否する心なんて持ってなくて。  でも、「うん」って認めることも出来なくて。  迷うように、俯いちゃう。  俺はキスだけで反応しかけている下半身に気付いているから、答えを聞かずに碧生の腕を引き、ベッドの上へ導く。  そのまま上に覆い被さって、キスをして、Tシャツの裾から手を忍ばせる。  小さな乳首をしつこいくらい擦っていると、徐々に唇の隙間から抑えきれない吐息が吐き出されていく。 「碧生、男の子なのに乳首で感じちゃうんだね」 「…っっ」 「かわいい」  むき出しになった細くて白い上半身に何度も舌を這わせて、吸い付いて跡を残す。  きっと、すごく綺麗なんだろうなぁ。  誰にも触らせてないであろう、身体。  あんまり筋肉もなさそうだし、硬そうだけど、艶々してそうだ。  流れるような手付きで、迷うことなく下半身に触れる。  碧生にはもう抵抗する思考は残っていないんだけど、なけなしの羞恥で一度俺に制止をかけるんだ。  誰にも触れられたことのない場所を、初めて他人に触れられるあの緊張感。  そりゃあ、仕方ないよね。

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