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第107話

「碧生はさ、俺じゃなくてもいいんでしょ」 「…え」 「一緒に居てくれるなら、俺じゃなくてもいいんだよね」 「…そんなこと、ない」 「…」 「俺は…、毬也と、一緒に…」    友達だから?幼馴染だから?  百合亜ちゃんの弟だから?  碧生が分かんないよ。  はっきり言ってくれないから、分かんない。  そんな不安げな顔だけじゃ、何も分からないよ。    もう嫌だ。  ただの幼馴染として一緒に居るだけなんて、やっぱり無理だ。  この二人を見るのは、もう嫌だ。 「俺と一緒にって、…嫌だな碧生。何調子こいてんの」 「…え」 「幼馴染だからってさ、俺、碧生だけのものじゃないし」  …俺は、何を言ってるんだろう。  俺が一緒に居たいって、離れたくないって言ったのに。  俺が自分勝手に碧生の傍から離れなかっただけなのに。  それでも、ちっぽけなプライドを保ちたいって叫んでる。  碧生のせいにして、全てから逃げ出したいって。  破れた恋を受け止められずに。  碧生は泣きそうな顔で視線を俺に戻した。  …やっぱり、中学の頃とは違う。  碧生は、本当に強くなったんだね。 「……」 「正直、もう疲れちゃったんだよね。俺には性に合わなかったみたい」 「…毬也…、」 「やっぱり俺は、いろんな子と遊んでる方が…」 

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