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第116話
「反対」
「え?」
「…私が碧生を好きだったの」
「……、えっえぇえっ」
ゆ、百合亜ちゃんが、碧生を好き…!?
えぇっ、それって、…ええっっ
突然の告白に大声を上げてしまった俺に、百合亜ちゃんは眉根を寄せ思い切り睨み付けた。
思わず、ハッと口を押えると、百合亜ちゃんはまたはぁ…と呆れたように溜め息を吐く。
「中学の時に告白したの」
「…そ、それで…」
「振られたわよ」
「……そ、」
「その時にあの石を交換したの。…都合のいい言い訳を付けてね」
百合亜ちゃんが、碧生に返していた真っ白の石。
中学の頃、お互いお守りとして交換したって碧生が前に言っていた。
…まさか、そんな事実があったなんて。
動揺で、心臓がドキドキ波打って痛い。
今日一日で、俺の心臓は少し寿命を縮めたと思う。
いや、恋をした時点で。
身体も心も、いっぱいいっぱいになってばかりだ。
「…碧生が百合亜ちゃんを振るなんて…」
想像すら出来ない。
だって、俺と同じくらい、すっごく仲良くて。
碧生は百合亜ちゃんにも心を開くよう笑っていて…。
そんな百合亜ちゃんを振っちゃうくらい、碧生には好きな人がいるのだろうか。
誰…?
もしかして、俺が全然知らない人…?
心の声が、全部顔に出ていたんだろう。
百合亜ちゃんに、また鼻で笑われた。
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