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第121話

「えっと、…一緒に帰ったり、デートしたり」 「…うん」 「手繋いだり、…き、キスしたり…とかかな」 「毬也は付き合ってた彼女とそういうことをしていたの」 「えっ、うん」 「毬也は俺とそういうことがしたいの」 「したい」 「……い?」 「え?」 「………今日遊んでた元彼女より、したい?」  碧生が拗ねたような眼で、俺を軽く睨む。  なに、それ。  かわいいんだけど。  可愛すぎるんだけど、碧生。  それって、煽ってるってことでいいんだよね。  違うって言われても、もう耐えられないよ。 「…碧生っ」  膝を付いたまま、抱え込むように碧生を抱き締める。  ぐらりとバランスを失った身体が倒れて、押し倒したような格好になってしまった。  碧生の身体は、布越しでも熱くて、ほんの少し震えていた。   「したいに決まってるでしょ。俺は碧生が好きなんだから」 「……ま、毬也が俺にそんなことをしたいなんて信じられない」 「好きだよ、碧生」 「だって…、毬也はいつも…色んな女の子に囲まれてて…」 「…ん」 「俺は他人とうまく話せないし、…つまらない人間で……毬也は幼馴染だから仕方なく構ってくれてて…」  「…」   「毬也が俺のこと…好きなんて信じられない」 

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