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第130話
「いや、嘘だ!毬也は分かりやすいから態度でわかる。絶対出来た」
「出来てないって」
「うそつけ」
「ほんとだよ~」
「じゃあ、今日こそ遊びに行こうぜ!」
「んー、…碧生ーっ」
突然名前を呼ばれた碧生は、びくっと身体を揺らし、おそるおそる振り返る。
おいでおいで、と手招きすると、碧生はほんのり恥ずかしそうに下唇を噛みながら、素直に立ち上がった。
ううっ、かわいいなぁ。
「…なに」
「碧生、放課後部活ある?」
「…今日は休み」
「そっか。ヤスが遊ぼうって言ってるんだけど」
「……行く」
「そう?じゃあ行こうかな」
「ほっんとに、まりはひのっちばっかだな」
不満げに唇を尖らしたヤスの言葉に、碧生は分かりやすいくらい狼狽を露わにした。
いや、他のみんなにとっては分からない程度だけど。
あはは、碧生、そんな態度じゃすぐにばれちゃうよ。
付き合うことになって「みんなには内緒にして」と懇願したのは、碧生なのに。
俺にとってはヤスのそんなやきもちは日常茶飯事なので、動揺することは一つもないんだけど。
「うん。碧生が中心だよ」
いつも通り、へらっと笑って返事をする。
ヤスもいつも通り、更に唇を尖らせた。
「即答かよ…ま、いいや。もう慣れた」
「でしょ」
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