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第131話
「じゃあ俺ら4人は行く…として、宇仁女の子たちも誘っとくな!杏奈ちゃんがまりに会いたいってうるせーんだよ」
「…へえ」
「あと、こないだひのっちの写メ見せたらすげー反響でさ!」
「…碧生の写メ…?」
「おうっちょっと前に撮ったやつ。あー、まりいなかったかも」
「ふーん」
これだぜ、と見せられた携帯電話の画面には、(ヤスが無理矢理)碧生の肩へ腕を回しているツーショット写真が映っていた。
碧生は嫌そうに俯き加減だけど、ヤスは犬っころのような笑みを浮かべている。
…何、この写真。
『恋人』の俺でさえ、高校生になった碧生とツーショットなんて撮ってないのに。
しかも、軽々しく肩を回すとかなんなの。
勝手に触らないでよ、ヤス。
すごく、腹立つ。
無意識に削除を押そうとした俺から、ヤスが慌てて携帯電話を取り返した。
チッ。
心の中で、盛大に舌打ちをする。
「宇仁女の子たちに見せたら、ひのっちに会いたいーって子がいっぱいいてさ」
「…」
「とりあえず5人くらい誘っとくな!ひのっち選びたい放題だぜ~」
「…」
「……」
「あっ、もちろん杏奈ちゃんも呼ぶから安心しろよ!まり」
「……そんなの、どうでもいい」
「は?」
「別に宇仁女の子なんて呼ばなくていいじゃん」
「はぁ?何言ってんだ?まり」
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