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第135話
日付が変わる2時間前。
まるでお酒でも飲んだようなテンションのまま、ヤス達と解散した。
当然、俺と碧生は同じ道を帰る。
火照った身体に優しく吹き付ける夏風が涼しくて気持ちいい。
二の腕あたりにある碧生の顔は、恥ずかしそうにちょっとだけ俯き加減だった。
そぉっと指を絡めると、慌てて顔を上げる。
「まっ、まりや…」
「なぁに?」
「…こ、…ここ、公道だし…」
「うん」
「……ひとに見られる」
「うん?そうだね」
「……毬也は…嫌じゃないの」
「嫌?なんで?碧生と手を繋いで帰れるなんて嬉しすぎるよ」
「……」
碧生は何故かきゅっと下唇を噛んで、照れ隠しなのか俺を軽く睨み付ける。
月明かりにぽやっと照らされた碧生の顔は、真っ赤に染まっていた。
「…毬也にはかなわない」
「ん?俺は碧生にはかなわないよ」
「…何が」
「何がって全部。だって俺、碧生が望むことはぜーんぶかなえてあげたいし、これから先俺の人生は碧生中心で回ってくんだもん」
「……やっぱり、毬也にはかなわない」
「ん、なに?聞こえなかった」
「なんでもない」
碧生は拗ねるかのようにぷいっと目を逸らしたが、絡めた指に力を込めてくれた。
…ほんと、かわいいよ碧生。
あぁ、もう…抑えきれない。
でも、もう我慢しなくていいんだよね。
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