19 / 85

※第19話→sideH

入ったこともないような、立派なホテルのスイートルームに通され俺は呆気にとられていた。 シャツは俺のものだったが、用意されたのはキレイめなスーツだったのでおかしいとは思っていたが。 「水上さん、これが新しい商品のハルカですわ。長身で鍛えているので貴方が欲しがってたのに丁度いいかしらね」 目の前の男は、170センチくらいの中肉中背で、美青年といった容姿で顔は綺麗に整っている。 こんな奴が有名なサディストなのか。 「こないだの交流会で会った、美人さんの犬みたいなのがいいなって思ってたんだよ。見た目はいいね。どこまで調教したのかな?」 「似たタイプかもしれないわ。まだ、お尻には細い棒しか入れてないから、ちゃんと慣らしてくださいね。最初から怪我したら大変だから」 串崎は取説を話すと、俺に前に出るように促すので1歩前に出て頭をさげる。 「ハルカ、です。オネガイします」 慣れない敬語にカタコトのようになる。 「じゃあ、終わったら呼んでください。待機してますので」 串崎は颯爽とドアから出ていく。 なんとも、気まずいというか、空気が重いんだが、どうすりゃいい。視線をさまわよわせると、水上という男は俺の腕をひく。 「抱かれるのは、はじめてなんだよね。怯えないで大丈夫だよ、すぐに気に入る」 細い体にぐっと抱きしめられる。 怯えてた、のか?俺は。 まあ、目の前にいる男は札束にしか見えないんだが。 我慢すりゃ、すぐ済む話だろう。 上着をむかれて、ポチポチとシャツを剥がされる。 「筋肉すごいね。ハルカはケンカとか強かったの?」 甘い声で囁かれ、ふっと耳に息をふきかけられビクッとしてしまう。 「あんまり、負けはしなかった、す」 「カッコいいね」 ベルトをするりと引き抜かれ、俺だけ真っ裸にされる。 いくら綺麗でも目の前にいるのは男で、これからおかされんだなァと考えると、体が知らずに強ばる。 「震えてる、可愛い。そんなに緊張しないで大丈夫だよ」 宥めるように背中を撫でられ、俺は大きく息を吐き出す。 札束のくせにうるせえな。 そう考えれば、矜持はたもてる気がした。 身体を離され、手にペットボトルの1回り小さいボトルをもつと、 「まずは、準備させてね。ハルカ。息を吐いて力を抜いて」 俺は言われたとおりに息をふうーっと吐くと、ボトルの先についたノズルをグイッと穴の中に埋め込まれる。 「ッ、いた、ッ」 異物感に眉を寄せると、中に噴射するように液体が注がれる。 「ハルカが怪我しないように準備してるんだから、嫌な顔しちゃダメだよ」 ノズルの位置があのイイ場所を擦ってくれないかと、期待して思わず腰を捻る。 「あ、ハルカの穴はここからきもちよくなることを知ってるんだね。ほら、勃起してる。」 男は笑いながら、俺の反応を指摘して抱き寄せた。

ともだちにシェアしよう!