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第24話→sideRT

五十嵐さんから連絡がきたのは、真壁たちに依頼をした日から一週間経ってからだった。 五十嵐さんの店へいくと、五十嵐さんと将兵と真壁、それに真壁の彼氏である富田、それにいかつい見たこともない男がいた。 「こんばんは」 「こんばんはっす。マジで峰さん、スーツかよ。似合わないな」 富田は剣呑な目をしながら、俺をの方を警戒してはかるような表情を浮かべて声をかけてくる。 こいつにこんな目を向けられても、それは仕方ない。 以前こいつを拉致して、俺とハルカは真壁を脅したことがある。とことん酷い目に合わせた自覚はあるので、恨んでいて当然だ。 「一応、社会人なんで」 「士龍を止めてもきかねーし、1人にするわけにはいかねぇからな。オレは、手ぇ貸したくねーけど貸してやる」 絶対に許してはいないという表情が、何故か胸に刺さる。 「悪い…………。富田、ありがとう」 素直に礼を言うと、富田は意外そうに俺をみた。 ハルカを取り戻すのに、体面なんかどうでもいい。 「峰、紹介する。東高の先輩で工藤さんだ」 五十嵐さんは、白スーツのヤバそうな人を紹介してくれる。 「こんばんはっす」 見た感じからも。メチャメチャそのまんまヤクザなんですが。 ヤクザなんだよな。きっと。 「工藤甲斐だ。久住組の構成員だ。今は謹慎中だがな……。峰か、小倉のことは知っている。1度塚田経由で用事をいいつけたことがある。実際にはあったわけじゃないんだがな…………」 静かだか圧倒的な威圧感がある。 ヤバイ雰囲気がいっぱいだ。 五十嵐さんの話だと、工藤さんが久住組の縁のある店で、それらしい人物を見たと言っていたらしい。 「小倉遥佳っていう名前ではないが、多分偽名を名乗ってるんだろうな、ミネハルカって名前のヤツなら監禁されてる。峰という名前を聞いてすぐ頭に浮かんだ」 なんだ、その偽名。 よりにもよって、そんな偽名とか。 それだけで、ハルカからの俺へのメッセージなんじゃないかとか考えちまう。そんなんじゃないだろうし、オメデタイ施行なのは分かっている。 分かっているけど。 「実家にふっかかるのが怖くて偽名とかよくあるからな。確かに、松川が消された事件の時の末端とか言ってたし。まあ、松川の事も俺が謹慎中じゃなけりゃ、手を回してやれたんだがな……」 「で、いまは、どこに?」 嫌な予感しかしなくて、俺は震える声で工藤さんへ尋ねた。

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