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第62話→sideH

ライの作ってくれたさっぱりした和食の朝飯を食べてから、胸元がパツパツの服を借りて着込んだ。 昔からライの服装は、黒を基調にしたシンプルなものが多い。俺は結構派手な服が好きなので、少しもの足りない。 ライの車でショッピングモールにきたが、高校を出てからこういうとこで買い物をするのは、久々である。 なんだか、ライにすら置いて行かれちまった気分で、どうしようもなく荒んだ気持ちで離れたはずなのに、結局迷惑をかけた。 その上、お荷物にしかならない身体にされちまったし。 「まあ、適当な服でイイぜ。…………サイズわかるから、試着とかいらねえし」 「まあ、普段着はそうだけどさ、たまに出掛けたりするだろ。キャハ、俺が出かけたいんだけどよ」 上機嫌のライを見て俺は少し胸をなでおろす。 昨日のことは、思ったほどひきずってはないみたいだ。 二ヶ月間で、調教されちまった俺の身体は酷くされればされるほど、興奮しちまう。 酷くして欲しいと身体が願ってしまう。 無意識の煽りも、全部俺のあさましい気持ちから出てしまうものだ。 「別にそんなイイトコいかねえし」 「…………俺が連れていきてえの。俺はハルカと一緒にいろんなとこ行きたい」 優しい表情をして、ライからそんなふうに言われるとなんだか嬉しくてどんどんつけあがりたくなる。 ライが手にしている買い物かごに、サイズの合うシャツとパンツを入れる。 「わかった。試着すっよ。俺はセンスはねえから、オマエが選んでくれ」 ライがかごに入れてくれた服をつかんで、フィッティングに持っていき着替えて鏡に向かう。 なんだか今までのイメージとは違う、少し大人な雰囲気になる服ばかりだ。 ふうん。ライは、こーいうのが好きなんだな。 シックなデザインで、ケンカするには少し動きにくい。 まあ、ケンカなんか、まあ、もうしねえしな。 かごの中に服を戻してフィッティングを出るとかごをライに手渡す。 「全部着れたぜ。ちと…………トイレに行って、していいか」 俺は、まだ排泄を人の許可なくできない。 身体に染み付いてしまった、習慣的なトラウマ。 「いいよ。その間に、会計しとくわ」 ライは俺に許可を与えて背中を軽く押した。 俺はライに頷いて、トイレへと向かい、綺麗なトイレの中に入る。 なるだけはやく、1人でトイレ、できるようにならねえとな。 まるでオムツ取れたばかりのガキみたいだな。 笑いがこみ上げそうになるのを奥歯で軽く噛み締めると、目を上げた俺は、2度と会わないと思っていた顔をみつけて体を硬直させた。 「…………ハル……カ?」 「……み、水上…………さん…………」 その名前を口にした瞬間、俺は、パブロフの犬よろしく股間を勃起させて、身体の中の血液が逆流するように沸騰した。

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