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※第64話→sideH
個室で勃起した下半身をどうにかしようと必死になったが、俺は排泄の許可は貰ったが、射精の許可をされていないことに気がついて頭が真っ白で絶望的になる。
トイレからもでられずに、うずくまる。
身体が疼いて仕方がなくて、おかしくて、たまらない。携帯も持ってねえし、ライに連絡をとる手段もない。
「……ハルカ?…………ハルカいるか?」
他の客もいないからなのか、遅いのを心配してかライの声が反響して響くのが聞こえる。
俺はどうにか、トイレの個室のドアを2回ドンドンと叩いて、ライに聞こえるように合図してからドアの鍵をあける。
すぐにライはドアを開いて、俺を見ると、すぐさま中に入ってきて鍵をかけて便座に座ったままの俺の肩を掴む。
「をい、大丈夫か」
少し声を潜めてくれるのは、俺への配慮だろう。
「…………ライ…………頼む…………出したい」
「ああ。……ああ、急に発情しちまったのな。…………もっと早くくればよかったな。説明書にはなかったけど、辛かっただろ」
優しい手つきで勃起した俺のペニスを掌で迷わずつつみこんで、緩やかに擦ってくれる。
こころは、ひどくやましい気持ちでいっぱいだ。
勃起した理由が、水上と会ったからだなんて、ライには死んでも言えない。
くちくちとすりあげる、優しい刺激に俺はライの胸元へと頭を埋めて頭を擦り付ける。
「…………ン……ッ…………ふ…………ッ、ライ…………ッ」
じんじんと下半身が、痺れて仕方がない。
「ああ、大丈夫だよ。…………出していいよ。ハルカ」
優しい声で、ペニスの先にトイパをあててライは許可を与える。
声をあげないようにライの身体をぐいと抱き寄せ、ティッシュをあてられて、安心して俺は体液を吐き出した。
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