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※第78話→sideRT(※注 獣姦)

車で行くにはかなり不便な場所で、駐車場をみつけるのに手間どってしまい、辿りついたのは昼近くになってはからだった。 少し小洒落たビルに入り受付にいき、名刺の男の名前を出すと、社長は今忙しいの一点張りで中には入れてはくれないようだった。 「.....いいから、中に入れろ。じゃないと、ここにいる人間を無差別に刺してまわるけど」 愛想のいいと言われる営業スマイルを浮かべながら、受付嬢にナイフを突きつけた。 別に実刑くらうとか、そういうのは気にならなかった。 「.......わ、わかりました。今ご案内しますから」 女が怯えたように俺を見上げて、エレベーターへと誘導する。 「通報したら、その場で暴れるからね」 受付嬢は黙ったまま、エレベーターの最上階のボタンを押す。 「別にアンタに酷いことしたいわけじゃない」 ブルブルと震える女に声をかけながらも、グイッとナイフの切っ先をあてる。 エレベーターが着くと、両脇を黒服の屈強そうな男たちが固めるように近寄るが、ナイフを見せつける。 「.....彼女がどうなってもいいのか?」 「かまわん!ヤレ」 非合法な会社らしく、受付嬢の命はたてにもならないらしく、殴りかかってきたので受付嬢を突き飛ばして、ナイフを振り上げ応戦する。 ぞろぞろやってくる護衛は、さほど強くはなさそうだ。 ナイフを使わずともボディアタックで蹴散らしながら、重そうな防音扉を開いた。 薄暗い部屋の中心にひとだかりがある。 悲鳴のような喘ぎ声は、聞きなれた声。 カッと頭に血が登り、俺はナイフを振り回しながら駆け寄る。 机の上に拘束されたハルカの上で、馬がホールドするように脚を載せて腰を動かしている。 な、なんだ、これは!!?? 「ひッ、あああ、ッい、ああ、ッく.....ぬ、やああああああ」 ぐちゅんぐちゅんと響く濡れた音と引き裂かれるような悲鳴。 頭がガンガンとして真っ白になる。 「このぉ、くそ、...馬刺しにするぞ、こらあああ!!!」 俺が馬に向かってナイフを振り上げると、何人かが束になって俺を押さえ込もうとする。 「ハルカ!!!ハルカを返せ!!!」 怒号をあげる俺の目の前に、いけ好かないくらいのイケメンが立ちはだかった。 「.....君は、ハルカの何」 「うるせえ、ハルカは俺のだ!返せ」 押さえ込もうとする腕を振り払い、ナイフを構え直す。 その間にも、ハルカの体は馬に貫かれ、見開いた目からダラダラと涙が零れている。 殺してやる。 殺意がどんどんと増していき、俺はナイフを握る手に力を込めた。 「ハルカは君のなの?」 「そうだよ。串崎から貰った譲渡書もある」 「.....ふうん。返してほしいの?壊れちゃったかもしれないけど」 くすくすと笑う男が憎いと心から思うが、それよりなによりハルカを馬から離したかった。 「いいから、返せ!!馬をしまえ」 「いいよ。返してあげる。でも、ハルカがちゃんと君のモノだっていうならね」 男は笑いながら、ナイフをしまってからじゃないとダメだと、俺を諭すように告げた。

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