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第9話

  ああっ! メーデー! メーデー! 俺も負けじと根元を擦ります、どうぞー!  俵屋さんの速度に合わせるけど、この俵屋さんをAとして俺をBとした相対速度Vは計測不可能ー! 「あ…俵屋さん…すげぇ…気持ちい…」  ただむやみに擦っているだけじゃなく、親指の腹でくびれや先端部分を撫でたり、時々指全体がピアノを素早く弾くみたいに動く。まるでマッサージだ。タマは前袋に収まったままだが、そこへの愛撫も怠らない。モミモミしてはギュッと握る。  さっきから思うに、これだけのテクニシャンなんだから、俵屋さんのオナニーはどれだけ気持ちいいんだろう。  俵屋さんがもしも本当にAV男優なら、女優も演技を超えて昇天するだろう。羨ましいような悔しいような。  俵屋さんが下半身を愛撫している間、両手がお留守な俺は、俵屋さんの乳首をいじった。 「あっ…ふぅっ」  色っぽい声と、とろけるような目。硬く尖った乳首をつまみ、指で転がすたびに、俵屋さんはせつない声を漏らす。 「あ…、そこ…」  ふーん、雄っぱいが弱いのか。 「俵屋さん…雄っぱい吸っていい?」  こくん、とうなずく俵屋さんが可愛い。俺は赤ちゃんみたいに乳首に吸い付き、逞しい胸筋を揉みしだいた。 「ああっ…、んっ…」  雄っぱいは女性のとは比べものにならない。女性は脂肪で、こちらは筋肉だから。だが、意外に柔らかい。筋肉は力を入れると硬くなるのであって、普段は柔らかいからな。  チュウチュウと音を立てて強く吸い付き、舌で転がし、時々甘噛みする。ああ、俵屋さんの雄っぱい最高だ…。俺はタバコ吸わないからその代わりに、俵屋さんの雄っぱいを朝の起き抜け、食後、休憩に、癒されたいとき、寝る前、などに吸いたい!  「はぁっ…もっと…」  俵屋さんが俺の背中と後頭部に手を当て、引き寄せて自分の体に押しつけた。俺は乳飲み児みたいに雄っぱいをチュウチュウ吸い続ける。  二人の体の間では、ガチガチに硬いペニスがピクピクうごめいている。  突然、俵屋さんは俺の体を離すと、その場にしゃがみこんだ。ペニスを深く飲みこみ、顔を上下させる。吸引力が凄い、バキュームフェラ! それに喉の奥まで届きそうなほどのディープスロート! …ディープスロートができるってことは…男なら一度は夢見てしまう、あの支配欲をかきたてられる、イラマチオが可能ということか。  俺は俵屋さんの頭をつかむと、腰をズンッと押した。俵屋さんは苦しそうな様子も見せず、うっとりと俺のチンコをしゃぶっている。それどころか、華麗な舌さばきも披露する。ならば心配ないなと、頭をグイグイ引き寄せ、腰もピストン運動させ、“オラオラ”な感じのイラマチオをさせた。 「んっ…は…」  すげえ…。他人を蹂躙してる気がして、背徳感がある。その背徳感は、脳から背中を伝って、下半身にビンビン来る。  俺より年上で、俺よりガタイがいい人が、俺のチンコを根元までおいしそうにしゃぶって、口の端からよだれを出している。俺はそんな俵屋さんを見下ろし、頭をつかんで腰をぐいぐい押しこむ。邪魔な毛が無いから、俵屋さんがしゃぶっている様子がよく見える。ああ、なんて素晴らしい光景なんだ…。  と、いつまでもイラマチオを味わっていられない。これだけでイッてしまいそうだ。俺は俵屋さんの口内から、惜しみつつペニスを引き出した。 「次は…俺にもしゃぶらせて…」  とは言っても、俺は男にするのは初めてだ。俵屋さんみたいにうまくはできないだろうけど、この巨根を味わってみたい。交代して俵屋さんが立ち上がり、俺がしゃがむ。そそり立ったズッキーニを丸ごとしゃぶる。…半分までしか入らねえ。なるべく舌が当たらないように、ゆっくりと顔を上下させた。  へそが、腹筋が、鼠径部が、全てツルンとしている。体は大人でデカマラだけど、肌は赤ちゃんみたいだ。すべて俺の物にしたい。たくましい雄尻も――  尻をわしづかみにして揉みしだくと、俵屋さんは俺の手を尻の割れ目に導いた。導かれるまま、指を穴の周辺に押しつける。 「あっ…、ん…」  短い喘ぎ声だけど、声を押し殺そうとはしていない。これじゃ、両隣に聞こえてしまうのでは…。  それでも俺の口も手も止まらない。血管が浮き出たサオも弾力がある先端も、ちょっと塩気が混じって苦い先走りも、全て愛おしい。力を入れたためにガチガチな大臀筋も、奥にある小さな蕾も全て。 「や…まだ…くん…」 “はい?”と顔を離すと、口から糸を引いた。 「俺…タチもネコもいけるけど…どっちがいい…? 山田くん、男が初めてなら…俺に挿れる方がいいかな」  額から汗を流してセクシーな赤ら顔で、そんな大胆なことを言う。もう俺のサオはガチガチで、発射したくてたまらない。  俺は立ち上がって、俵屋さんを見上げた。 「はい…俺、俵屋さんに挿れてみたい」  俵屋さんは俺に背を向け壁に右手をつくと、左手でフンドシの捻れた縦みつをグイッと横にずらした。 「このまま…来て」  フンドシを外す手間がもどかしい。それは俺もそうだ。フンドシは少しずらすだけで、セックスができる。タチもネコも脱がなくても、下着を装着した状態でセックスできるなんて…フンドシ最高!

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