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第9話

美しい裸体。 雲の切れ間から静かに照らす月光により、その柔肌が青白く光る。 そっと触れ、背骨に沿って指を滑らせれば── 「……あぁっ、!」 先程とは明らかに違う、細い声。 瞬間、俺のモノがビクンと反応し、イきそうになる。 ……まじ、かよ…… 奴の声だけで反応してしまった事に驚き、もう一度試してみる。 「………ぁ、ぁあ……っん、」 それに答えるかの如く背を仰け反らせ、鼻から抜ける甘ったるい声を漏らす。 溜まらずその背中に身体を寄せ、浮き出た肩甲骨の間に唇をそっと当てる。 「……ぅ″んっ!…… ダ、メぇ、……もっと、ひ……酷く………して……」 浅く、荒い息を吐きながら……言葉だけは拒否を示す。 快感に打ちひしがれ震える身体は、素直に欲しがってる癖に…… 「ぉ……ねが、ぃ……ぁあ″……っん、」 「………嫌だね」 瞬間沸き上がる、加虐心。 藤井のモノを握り込んで上下に強く扱き、熱い息を吐きながら、今度は背骨に沿って尖らせた舌先を這い上げた。 「……っ、あぁ……! …ぅん、あ、ぁ、っ……」 藤井の腰が、揺れる。 ナカが僅かに蠢き、俺のモノを咥え込もうとする。 それに煽られ、俺も激しく腰を動かせば…… 「ゃ、………イッ……ちゃ……、 ………あぁ、っ──!」 ぱたたっ……と雑草の上に吐き出される、藤井の精液。 その瞬間、びくびくと震えながら大きく仰け反った藤井の背中から、白い翼が生える。 ──バサッ 大きく広げたそれは、絵に描いたような天使の羽根で。 その一部が、降り注ぐ月光に照らされながら、ひらひらと舞い落ちる、 「………!」 ──瞬間。 むあっと立ち込める……甘ったるい匂い。

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