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第12話
『カップル狩り』──15年程前。ここは夜景を見に来るカップルを集団で襲い、暴行の上金品を奪うという事件が頻繁に起こっていた。
その中でも特に悪質な事件………男女の不良集団が、カップル狩りをした末に殺害するという事件があった。
公園入り口前には、その時に立てられたと思われる『カップル狩り注意』の看板が。
しかし、十五年も前の事件だ。
今はとても平和で……そういった暴徒とは無縁の場所に変わっている。
……にも関わらず……
「チッ、これだけかよ……」
藤井と亜由美が差し出した財布の中身を確認した男達は、あからさまに嫌な顔をした。
札だけをサッと抜き取り、ぐしゃっと握り締めてポケットに突っ込む。
「………どうすっかなぁ」
「なぁ。……コイツの前で彼女をヤるっつーのはどうよ」
亜由美をジロジロと舐め回していた男が、亜由美の手を摑んで強く引っ張った。
瞬間……繋いでいた手が外れ、亜由美の体が男に捕らえられる。
「……いや。まずはその逆をやってやろうぜ」
少し離れていた所から様子を眺めていた二人が、ニヤついた顔で藤井の前に立ちはだかった。
………は、……ふぅ、……っ、う……
「いいね、彼氏。上手いよ」
遊歩道を外れた茂みの中──
前を寛がせた男に跪き、藤井は剥き出された男のモノを口に含む。
男に押さえ込まれた、亜由美の前で。
「何で男にシャブらせんの? そっちの趣味あったっけ?」
亜由美を捕らえている男が、ゲラゲラと馬鹿笑いをする。
「ん。……別に。
俺らは、顔が良ければどっちもいけるタチだから」
もう一人の男が藤井の背後にまわり、淡々とした声で答える。
そうしながら、膝立ちした藤井の制服の中にスルリと手を入れる。
「マジかよ!
もしソイツが美人な女装子でも、俺には絶対無理だな」
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