14 / 20

第14話

その痛みが、次第にそれだけじゃないものに変わっていく。 その変化に戸惑いつつ、それでも── 「……ぅ、く……はぁ、ぅん、ぁぁあ″っ、……」 亜由美の為だと、藤井は懸命にそれに堪えた。 男達が腰を打ち付ける中、あと少し……あともう少しで終わる、と…… 「………やっ、べぇ………マジか」 「……ぅ、……スッゲ……」 亜由美が長い期間、自分に悟られず執拗な虐めに堪え抜いたのだと思えば……こんなのは、たったの数十分。 それ位、堪えられる……堪えてみせる…… 『最初に彼女の前で、彼氏を犯す』──彼らはそう言っていた。 自分が全て被れば、きっと亜由美は手出しされない。 少なくとも、こうされてる間は…… ……そう、信じていた。 「……ほら、彼氏。男の咥え込んで、カンジまくってるぜ」 亜由美を取り押さえつつ藤井達の行為を見物していた男が、嫌悪の混じった声を上げる。 「いいの?……あんな男が彼氏でさぁ」 言いながら男が、亜由美を簡単に押し倒した。 キャア、と上がる小さな悲鳴。 「……どうする?……彼氏、このままだとメス落ちするかもよ……?」 男が厭らしく笑う。 「彼女が全部引き受けるなら……アイツら呼び戻して、彼氏を助けてやってもいいぜ」 「………、っ!」 不穏な言葉が聞こえ、藤井は彼女の方へと視線を向けた。 怯えきった亜由美の横顔──それが、この暗闇の中でもハッキリと見える。 ……ダメだ、そんな事しちゃ…… ダメだ……! 視線でそう訴えるも、亜由美には届かない。 彼女は、自分に覆い被さる男を真っ直ぐ見つめていた。 憔悴した表情のまま……絶望した瞳で。 「……なぁ、どうする?」 「………、」 その問いに、無言のまま首を小さく縦に振る。 その瞳の端から、一筋の涙を零して……

ともだちにシェアしよう!