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第16話

「……オイ、藤井」 うつ伏せになったままの藤井に立ったまま跨がる。 「お前、彼女を助けられなかったからって……今更男引っ掛けて何やってんだよ。 ……懺悔でもしてるつもりか……?!」 俺の怒声に驚いた藤井が、徐に振り返った。 雲の切れ間から現れた満月。 その光に濡れた肌は艶やかで、括れた腰のラインに性欲をそそられる。 俺を見上げた藤井は、大きく目を見開いた後……直ぐに伏せ、力無く口元を緩めた。 「………そうだよ。 だけど、贖罪の為だけじゃない。 ……もうずっと、囚われてるんだ……」 犯される彼女。 正常位──白くて細い足を持ち上げられ、律動に合わせ草むらの陰からそれが揺れる。 「どうだ。……彼女が犯されてんのを見ながら突っ込まれる気分は」 後背位で挿入され……ガンガンに貫かれながら、片手で髪を掴み上げられる。 「……ぅ、あ″ぁ……あっ、」 もう片方の手は藤井の細い喉元に置かれ。中指と親指で、ぐっと頸動脈を押さえられた。 「ハッ。カンジてんのかよ。……変態だな、お前」 嬲る声。 犯され壊された心に渦巻いて響く、厭らしい言葉。 ──なのに。 耳元で囁かれ、ゾクリと身体が粟立ち……耳裏が熱くなってしまう。 「……あ″ぁ……っ、ぅ……うぅ……」 「はは……。もっと、気持ち良くさせてやるよ。 ……男にしか感じねぇ身体に、な」 そのまま耳殻を食まれ、その穴に舌先を突っ込まれ……狂ったような水音が脳内に響く。 逃れようともがけば、頸動脈に指が食い込み── ぱたたっ…… 草むらに飛び散る、白濁液。 「……」 その瞬間感じる──絶望。 無理矢理快楽を引き出され、身体が自分の意思とは別のものに作り変えられてしまったようで…… 「俺は……犯されながら…… 身体の奥に潜む快楽を刺激されて……不本意ながらも、感じてしまった── ……でも、彼女は……」 男達が去った後。 ボロキレのように、ヤり捨てられた彼女の瞳は濁り…… ………魂ごと……壊されていた──

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