16 / 20
第16話
「……オイ、藤井」
うつ伏せになったままの藤井に立ったまま跨がる。
「お前、彼女を助けられなかったからって……今更男引っ掛けて何やってんだよ。
……懺悔でもしてるつもりか……?!」
俺の怒声に驚いた藤井が、徐に振り返った。
雲の切れ間から現れた満月。
その光に濡れた肌は艶やかで、括れた腰のラインに性欲をそそられる。
俺を見上げた藤井は、大きく目を見開いた後……直ぐに伏せ、力無く口元を緩めた。
「………そうだよ。
だけど、贖罪の為だけじゃない。
……もうずっと、囚われてるんだ……」
犯される彼女。
正常位──白くて細い足を持ち上げられ、律動に合わせ草むらの陰からそれが揺れる。
「どうだ。……彼女が犯されてんのを見ながら突っ込まれる気分は」
後背位で挿入され……ガンガンに貫かれながら、片手で髪を掴み上げられる。
「……ぅ、あ″ぁ……あっ、」
もう片方の手は藤井の細い喉元に置かれ。中指と親指で、ぐっと頸動脈を押さえられた。
「ハッ。カンジてんのかよ。……変態だな、お前」
嬲る声。
犯され壊された心に渦巻いて響く、厭らしい言葉。
──なのに。
耳元で囁かれ、ゾクリと身体が粟立ち……耳裏が熱くなってしまう。
「……あ″ぁ……っ、ぅ……うぅ……」
「はは……。もっと、気持ち良くさせてやるよ。
……男にしか感じねぇ身体に、な」
そのまま耳殻を食まれ、その穴に舌先を突っ込まれ……狂ったような水音が脳内に響く。
逃れようともがけば、頸動脈に指が食い込み──
ぱたたっ……
草むらに飛び散る、白濁液。
「……」
その瞬間感じる──絶望。
無理矢理快楽を引き出され、身体が自分の意思とは別のものに作り変えられてしまったようで……
「俺は……犯されながら……
身体の奥に潜む快楽を刺激されて……不本意ながらも、感じてしまった──
……でも、彼女は……」
男達が去った後。
ボロキレのように、ヤり捨てられた彼女の瞳は濁り……
………魂ごと……壊されていた──
ともだちにシェアしよう!