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第27話
ユキが首を後ろに回してキスを強請る。その仄かに紅い唇の輪郭を舌でねっとりと辿ってから唇を吸う大きな音を立てた。
「ああっ……イイよぉっ……。胸も……お尻の中もっ……」
ユキの声は雨に濡れた胡蝶蘭の趣きだった。
オレが大きく腰を動かして奥まで衝く。
「ああっ…それっ……いい。あんっ……あん……。やだっ……」
紅に染まった細い首がオレの動きに合わせて激しく振られて、汗の雫が赤紫色の胡蝶蘭の上に煌めきながら落ちていくのも綺麗だった。
「ユキという子、前もすっかり勃っていますね。普通、初めての子とか舞台慣れしていない子だったらアソコはすっかり縮まっているというのに。
淫乱なタイプなのでしょう」
先程のハバナの最上級葉巻を惜し気もなく吸っている男が取り巻きと思しき人間に感想を漏らしている。
その言葉を聞いたのか――舞台の上のオレにだって聞こえるのだから、客席に居る詩織莉さんには当然耳に入るだろう――まさに柳眉を逆立てるといった感じで睨んでいる。
「おっと、女王様の文字通り逆鱗に触れてしまったようだ。申し訳ありません。失言は取り消します」
火を点けたばかりの葉巻を慌てて消して詩織莉さんに深々と頭を下げているのが視界の隅に入った。
「乳首も……もっと、ギュっと捻って。あんっ……。イイ!イイよぅ……」
乳首を摘まむ二本の指以外でユキの身体を固定して、奥まで衝いた直後に門から息子を出す。
その度ごとに、白や透明の液体が赤紫の胡蝶蘭の花に煌めきながら落ちていく。
挿れたままで動いても良かったが、この方が客席からもくっきりと見えるだろう。
その分だけユキの取り分が増えるというのも計算のウチだった。
「ユキの可愛い乳首……。コリコリとしていて、とてもいい……。もちろん……ユキの身体の中も……」
二度目だというのに、すっかり男を受け入れるのに慣れたユキの身体は狭すぎず緩すぎずといった絶妙の遣い心地だった。
「んっ……イクっ……!もうイクっ!!」
ユキの身体がスコールを浴びた胡蝶蘭の風情で震えている。
「もう少し……我慢して。逝くんなら、一緒に……」
普段のオレなら――女相手には全く遊んでいないが、男のセフレはその都度ゲイバーなどで見つけてお持ち帰りしている――「一緒に」なんて言わないのに咄嗟に口走ってしまった。
「うんっ……分かったっ……。
ああっ……もうっ……」
オレが一番奥まで挿れるとユキの華奢な身体から大粒の汗の雫がスコールに打たれたように噴出している。
そして、可愛いお尻の門から抜くと、門からは白い真珠の雫が、身体からは透明な水晶の粒が照明に煌めいてから赤紫の胡蝶蘭を濡らしていく。
「オレも……だ。
奥に注がれるのと、お尻の穴に掛けられるのとでは……、どちらが良い?」
ビジュアル的にはユキの上気した顔が一番良いのだろうが、この愛の体勢ではそれは無理だった。
「奥がっ……イイっ……。ああ……んっ……。もうっ……待てないっ……」
ユキの紅く染まった細い首が耐えきれないように振られている。何だかフラミンゴの優美さと艶っぽさだった。
「オレも……だ。逝く……」
ユキの身体の奥に思いっきり放出した。
「ああっ……熱いの……、いっぱいっ……。ああっ……」
ユキの出した白いエキスを手で受け止めた。
熱く激しい息が静まるのを待ってから、ユキの身体を白い胡蝶蘭の上へと誘導した。
紅色に濡れた上半身を客席に晒して、濃いピンクに染まった小さな乳首にユキの出した白い雫をポトリポトリと落として、真珠の粒を宿らせる。
客席からはどよめきが起こった。その反応に気を良くして、尖らせた舌先で乳首と乳輪を辿る。
「あっ……んっ……」
ユキが胡蝶蘭よりも艶やかな声を上げてくれるのも。
「いや、ダメ……恥ずかしいっ……」
ユキが恥ずかしがっているのは、舌全体でユキの放った白いエキスを舐めたことだ。
「恥ずかしくなんてない。愛するユキの出したモノは何でも可愛いからな……」
そう告げると紅色の濡れた素肌がより一層の瑞々しい煌めきを放っている。
赤紫の胡蝶蘭にも真珠や水晶の煌めきが宿ってとても綺麗だった。
「さあ、もっと恥ずかしいことをしようか?」
客席に向かってユキのお尻を開く、しかも思いっきり。
ユキもオレの目的が分かっているのか何も言わなかった。ただ、紅色に染まった肌が羞恥に震えている、雨に打たれた胡蝶蘭のように。
「桃のようなお尻の間から白い液が滴っているのは堪りませんな。
それに、恥ずかしそうに震えている紅い胡蝶蘭よりも綺麗な肌も。
いやぁ。良いものを見させて頂いた」
そんな感じの声が会場から口々に漏れてタブレットを操作する音がした。
多分、このショーに「投資」する金額を想定していた以上に出してくれるのだろう。
(もう一押し)と思って、ユキの紅色の身体を白い胡蝶蘭の褥に押し倒した。
「えっ……」
ユキの戸惑いと、そして情を交わした後の甘い香りのする声が困惑気に揺れている。
「愛している者同士は、行為の後もこうするものだ……」
「愛している」と言った時にユキの涙で潤んだ瞳がダイアモンドよりも綺麗に煌めいた。
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