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第41話

「堂本信次郎だ。今時『次郎』が入っている時点でこの世界では古い感じだろう?だから入店時にオーナーと相談してリョウにした」  ベッドのシーツの上でユキの背中を強く抱き締めながらそう告げた。  ユキの可憐な乳首が皮膚を押しているのもとても気持ちが良い。 「そうなんだ……。  僕たちって恋人同士だよね?恋人ってさ、お互いの名前を特別に呼んで良いってマンガで見たことが有るよ?  なんて呼べばいい?  ああっ……そこ、吸われるの、気持ちイイっ……もっと強く吸って……欲しいな……ダメ?」  一晩で開花したユキの乳首は艶やかな紅色に染まっていて、とても綺麗だった。 「リョウだと店のお客様みたいでなんか抵抗感が有るので、シンと呼んで貰えれば……」  ユキの乳首を片方は舌全体を使って転がして、もう片方は指で摘まんで上下に揺すった。 「シンっ……イイっ……。もっと強くし……てっ……」  ユキの薄紅色の身体がシーツから浮き上がって愛の仕草を強請るのも、そして感じていることを隠さない甘く蕩けた声も下半身にダイレクトに響いた。  それに、ユキの細い脚がオレの腰に回されているのも。 「乳首と身体の中、どちらがジンジンするんだ?」  「枕」は一切していないといっても、それなりの経験は有る。男女共に。そして共通して言えるのは「恥ずかしい言葉を相手に言わせる」ことで、余計に身体の熱が上がること、だった。 「んっ……両方イイよぉ。さっきよりもジンジンする熱が上がって……いるみたいでっ……。シンのおっきいので中までいっぱいに開かれたらと思うと……、それだけでほらっ……」  ユキの下半身がオレの素肌に押し付けられた。そこはすっかり硬く熱く育ち切って先端が濡れそぼっている。オレの場合はランナーズハイに似た勢いだが、ユキは流石に若いだけのことはあるな……とチラッと考えた。 「恋人同士の愛の行為をしようか?」  ユキの身体をベッドに固定して、大きく足を開かせる。 「え?そんなトコ舐めるのっ……。ああんっ……でも気持ち良い。  乳首もっ……そんなに強く……弾かれたらおかしくなっちゃうっ……。  ああっ……ひっ……シンの指、前立腺に当たってて……」  オレの周りでは珍しいユキの黒い髪が白い枕に散っては、ユキが快楽のダンスを踊る度に綺麗に跳ねている。口で丁寧に愛されるのは初めてなのか、何だか甘く惑乱した胡蝶蘭の花のような風情だった。 「あんっ……指もイイけどっ……。シンのが欲しいっ……」  先程よりも甘く蕩けたユキの声は白い胡蝶蘭の清楚さと赤紫の妖艶さが混じっている感じだった。 「まだ……だ。王女様を抱くみたいに丁寧にするって約束しただろ?」  ショーとはいえ無理な体勢を取らせてしまった。だからせめてもの償いに時間をかけて愛したい。 「やだっ……。直ぐに欲しいよっ……。僕は大丈夫だからっ……。奥の奥までシンのが欲しいっ……。  じゃなきゃ、もっとおかしくなるっ……」  ユキはオレの指が弄っていない方の乳首を細い指で摘まんでキュッと捻っていた。  薄紅色の指から覗く紅色の乳首もとても清楚で、そして淫らだった。  ベッドの上でこんなに瑞々しく乱れた初々しい身体と快楽に甘く歪むユキの顔を見ると我慢などできそうにない。 「――分かった。中も充分に緩んでいるし……、それにうねっている。  あっ!!ゴムがない……」  「枕」は絶対しないというのがオレのポリシーだったし、詩織莉さんを始めとして「太客」に対するサービスとしてもベッドを共にしていなかった。  ムラムラして、直ぐにやらせてくれそうな男が居る場所に行く時には当然買っていくが、今夜はまさかこんな展開が待っているとは思わなかったのでそういう準備もしていなかった。   当然ながら部屋にはゴムを買い置きとかしていなかった。 「ゴム?ゴムって何?」  ユキが甘い喘ぎ声の合間に聞いて来た・ 「避妊具だ。ユキはショーの時にオレが装着していなかったから、バスルームで苦心惨憺しただろう?ああいうのを防ぐために着けるのがマナーだな……」  今から買って来ようかとも思った。このタワーマンションのごく近くにコンビニも有るし。 「そんなのっ……要らない。お腹の中に熱いのをばら撒かれる感触がすごく……好きになった。  ゴムってそういうのも全部その中に入ってしまうんでしょう?だったら要らないっ、よっ」  ユキの健気で淫らな言葉が寝室の愛の湿度を上げていく。 「シンっ……早くっ……頂戴っ……。  一番奥を衝かれるの……物凄く好きっ。ああっん!そう!すごくイイっ。  ああっ……僕のもっ……」  力強い動きで奥の奥まで衝いて、その後は小刻みな動きに切り替えた。  その度ごとにユキの可憐で切羽詰まった可愛い声が、二人の身体を繋いでいる場所から響く肌の湿った音と共に寝室に木霊した。 「ユキ、一緒に逝こう……。ユキの中も最高にイイし――しかもこの身体は物凄く物覚えが良いみたいだ。  いや、身体だけじゃなくっ」  相性も抜群だと思っていたが、ショーの時よりもユキの中はうねっては強く締め付けるという動きを覚えたみたいで、堪らない。  必死に衝動を堪えるために思っていることを言葉にしていると、ユキの声も更に甘くて甲高くなった。  多分、もうすぐ極めるハズだ。

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