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第113話
ただ、今のユキは薬でおかしくなっているだけで、しかもその上、この状態で本番を致してしまうと薬ナシでは物足りなくなってしまうと新田先生から聞いていた。
「恋人」であるユキの痴態を見ているのではなくて、これは学者が検査対象を観察している態度で接したほうが良いのではないかと思った。
ユキが大切な恋人であることは揺るぎないことではあし、この状態もユキ本人になんの落ち度もない。
ま、ユキに限ってそんなことをするとは到底思えないが、万が一いや一億の一の話ユキが「若気の至り」でそういう薬に手を出したとても一回だけならばこうして付き合う程度には惚れている。
常習するような人間だったら、手を切ったほうが良いとも思うが。
「ああっ……リョウさんので奥を……ズンって衝いてっ……」
ユキの細い指が三本も付け根が見えなくなる程度に中に挿っては出て、物足りなげに動いている。
紅く上気した頬とか、唇がせわしなく、そして扇情的な雫を零している。
それにもう片方の手で、乳首をギュッと抓ったかと思うと前を弄っていた。
「ああっ……リョウさんっ……イクっ……イッちゃうからぁ……、穴をいっぱいにして、奥まで欲しいようっ」
水晶のような雫を指先が触れていた先端部分が淫ら極まりない音を奏でている。
リョウさんと呼んでいたのは初めて会った――あれからずいぶんと時が経ったような気がするが二日前だ――ショーの時の呼び方で、普段のユキならオレの本名から取ったシンと呼ぶハズで、つまりは薬の効果なのだと確信してしまう。
だから心を鬼にしてでも――それほど良くは知らないが――動物の生態を調べる動物学者になった積りで接するしかないだろう。
「乳首、ギュッと……摘まんで、転がしてぇっ……
ああ……イイって、イク、イクっ……」
すっかり立ち上がったユキのモノをたどたどしい感じで弄っている細い指も綺麗なピンク色に染まっている。
ユキの喘ぎ声と粘度のある湿った音が淫らな旋律を奏でている。
ユキの指の動きは巧みとは言い難い。
それほど、一人では弄っていなかった――男なのだから、自分で出してスッキリするという生理現象なので当然しているだろうが、そういうのは尿意を催したらトイレで用を足す程度のことだ――感じがいかにもユキらしくて、一縷の光を見たような気がした。
「イっていいぞ……。
ユキの可愛い小さな穴から、ピュルって白い液が出るところを見せて……欲しい」
触ったり本番まで致してしまったりするのはダメだが、声までは制限されていない。
だからとっておきの低音ボイスで囁いた。
耳朶には触れないように細心の注意を払って。
五感が異常に敏感になっている今――それでなくともユキは耳朶も感じる場所だ――肌を刺激するのもダメな気がして。
「ああっ……イっクって……」
ユキの可愛い穴から白い液体が勢いよく飛び出して薄紅色に染まった腹部に真珠を撒いたように飛び散っていく。
その眺めも、普段なら興奮してしまうだろうが、今はそういう気分では全くない。
「ね、リョウさん……。
リョウさんので……僕のココをいっぱいに……して」
紅に染まった腹部に真珠とダイアの首飾りのような煌めきを放っていてとても綺麗だったが、それ以上に扇情的なのはその「そういう」動画――オレは女性との絡みのあるモノは断じて自分からは見ない、見ないが男同士の付き合いというかノリで「そういうモノ」は見るし、しかもオレの場合は職業が職業だけに某グラビアアイドルとか清純派で売っているタレントのハ〇撮り動画――もちろん、ガチなヤツだ――なんかが回ってくることもある。
昔のことは知らないが、今時はスマホで動画も撮れるので「あの」誰それとやった記念にこっそりと撮る同業者は多い。
ウチの店の場合はそんなことがバレれば一発でクビになるが、他店では割と普通に行われているらしいし、この世界に居続ける人間はそれなりに横の繋がりもあるので、新人の時には絶対に「楽しい秘密の鑑賞会」とやらに誘われた。そして世間では女性に媚びて金を毟る軟弱な商売だと思われているような感じだが、実際は体育会系のノリなので先輩の言うことは絶対だった。
だから「アレを鑑賞しようぜ?」みたいな会にも断る権利はなかった時代の出来事だが。
今は先輩的な人は役職に就いているとか、地方都市でホストクラブのオーナーになったりしているので、そういう「迂闊な」ことはしない。
オレはそもそも女性の痴態には興味がないので後輩に誘われても行かないようにしているし、若い者同士で愉しめば良いと思っていた。
コンプライアンス(?)の略語だったかと思うがコンプラ違反で引っかからないようにとだけ忠告するだけだった。
今の時代そういう動画を簡単にインターネットにアップロード出来るそうで、そうなれば最悪警察沙汰・裁判沙汰になってしまう。特に清楚系で売っているような若手のひよっこ女優なんかの動画をいったんネットにアップするとたちまち拡散されるらしくてたびたび注意喚起の紙も渡されているし。
そんなことを考えていたのは、目の前のユキがM字に足を広げてまた立った場所とか、物欲しそうにヒクヒクと動く可愛い穴に指を出し入れしているという頭が沸騰しそうなほどの熱演を繰り広げているから、だった。
それに紅色に染まった腹部には精液とかうぱー液で真珠とダイアモンドの煌めきがユキの動きに合わせて妖しい煌めきを放っていたし。
「リョウさん……来てって!!僕のココに」
そう紅い唇を震わせながらサーモンピンクの舌で唇を舐めているのも艶めかしくてクラクラしそうだった。
そしてユキは白い液で濡れた指をオレの方に伸ばしてきた。
その細い指から小粒の真珠みたいな液が滴っては床に落ちてきた。
何だかもうどうなってもいいような気がした。
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