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3.仮初めの距離(16)*
「先生……すごいよ。もうこんなドロドロになってる」
口に含んだ突起を甘噛みしながら言葉を紡ぐ。時に舌ですくうように転がしては、故意に水音を立てて吸い上げたりもする。
「あぁ……っあ、も……よせっ……」
先生の手が、制したいように俺の肩を掴む。だが力なんてほとんど入っていなかった。
「先生って、一人でするときもいつもこうなの……?」
構わず俺は、先生の膝裏に手を入れた。
片膝を立てさせ、足の付け根へと指を這わせる。濡れた跡を確かめるように狭間を探り、
「それとも、ここが学校だから……かな」
やがて見つけ出した入口の表面をゆるゆると撫でた。
「や、っ……」
先生は臆するような声を漏らし、反射的に身を強張らせる。それを宥めるように、屹立に絡めた他方の手を再び動かした。
括れから先端まで、輪にした指で小刻みに何度も擦り、その傍ら、先生が吐息したのを見計らって、後ろへと添わせていた指にぐっと力を込める。
「――ぃ、…っ……!」
反発するよう、先生の身体に力が入り、俺を拒むように粘膜が収縮する。
俺は先生の引き攣ったような声を聞きながら、どうにか埋め込んだ指先を絡みつく襞の間でぐちぐちと蠢かせた。
内壁を擦る動きに抽挿するような動きを足して、それがある場所を掠めれば、
「…っ――!」
弾かれたように先生の背中が仰け反った。
「先生……」
無意識に呼びかけながら、固く閉じられた先生の目元に唇を寄せる。
すると先生は、不意に薄っすらと瞼を上げて、戦慄く唇を動かした。
「仲、矢……もう、いい……来い」
「――…っ」
俺は思わず息を呑んだ。
「そう言うこと、言うかな……」
熱を浮かせて揺れる先生の瞳は想像以上に扇情的で、俺は抗うすべもなく、乞われるままに内へと差し入れていた指を引き抜いた。
「…っ……」
「せっかく丁寧にと思ってたのに……どうなっても知らないですよ」
独白めいた口調で低く囁き、先生の両足を抱え上げる。自重を加えてそれを左右に開かせ、その一方で、手早く自らの衣服を寛げた。
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