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番外編.例題その1(7)*

 接合部を密着させるのに合わせて、内部から溢れる白濁があられもない音を立てる。  気がつけばベッドのヘッドボードに頭が当たるほど先生を追い詰めていて、俺はその身を一気に引きずり戻した。 「ん……っあ、…待っ……!」  太腿を抱き込み、一際腰を押し付けるようにしながら先生を内側(なか)から掻き乱す。再び触れた胸の先を双方同時に転がして、次には痛みが走るほど強く摘み上げた。 「っ――! あ、仲……っそん、な…、痛……っ」 「痛い? 気持ちいい、の間違いでしょ」 「ち…違っ……ぁ、やめ……っ手を、離……っん、あぁ……!」  縋るように伸ばされる先生の手が、俺の腕にかけられる。しかしそこに込められる力など高が知れていて、歯がゆいように立てられた爪にも、すぐに消えるだけの痕を残すことしかできない。  それに構わず、俺は色付く尖りを指で挟んだまま、一層内襞を擦り立てた。と、図らずも突起を引っ張るような形になり、逆らえず先生の胸元が浮き上がる。  触れてもいない屹立から滴る雫も見る間に量を増して、そこに白みが混じるのも刹那のことだった。 「先生、えろすぎだって……」  閉じ切らない唇の隙間からは、いつの間にか唾液の線が首筋へと伝い、不規則に上擦った呼吸も酷く色めいて耳に届く。  時折思い出したように上下する喉元までもが妙に生々しく瞳に映り、 「身体は正直って、こう言うことを言うのかな……」  気がつけばこっちまで息を呑む羽目になっていた。  恍惚とした笑みがひとりでに浮かぶ。しかし裏腹に目のやり場に困るような心境にも陥っている。それでいて目を逸らすこともできず、俺はただ先生の身体を揺さぶり続ける。  ようやく先生から全ての余裕を奪えたかと思えば、同じだけ――いや、案外それ以上にこっちが翻弄されている気がする。 「……っふ、ぁ…」  先生の身体をひっくり返すと、四肢は容易にシーツの上へと投げ出される。もう顔を上げることすらできない先生の腰を一方的に掲げさせ、熟れたそこに再び昂ぶった自身を埋め込んだ。  膝立ちで絡み付く粘膜を割り開き、内襞を引きずるようにして腰を引く。すぐにまた最奥を抉ると、反射のように先生の背筋が反り返る。  力の入らない手で間近のシーツを握り締め、 「…んっ……、あっ、あぁ……っ」  抽挿のたびに漏れる吐息はもう止むことがない。

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