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番外編.例題その1(8)*
脇腹へと片手を添わせて、上気した肌の感触を確かめる。そのまま下腹へと這わせて行き、脈打つ屹立を今一度手のひらで包み込む。
と、その瞬間、
「あっ…――!」
びくりと先生の腰が跳ねて、内壁が一気に収縮する。
ろくに手を動かすこともなく、ただ確かめるように触れただけなのに――、まるで待ち侘びたように、先生は呆気なく吐精していた。
「ちょっと……名木先生…?」
揶揄い混じりに名を呼んで、汗ばむ背中に指先を滑らせる。直後で過敏になっているのを知っていて、擽るように肌を辿った。
先生の身体が過剰に震え、ひくつく粘膜がますます俺の熱を締め付ける。背筋に甘い痺れが走り、再び下腹部に熱い疼きが灯る。
「まだ…寝ないでくださいよ……? ねぇ、聞いてるの、先生――」
問いかけたところで、何の反応も返って来ない。先生はシーツに突っ伏したまま、ただひたすら浅い呼吸を繰り返している。
俺は苦笑気味に目を眇め、ぐったりと脱力しきっている先生の身体を抱き起こした。
繋がりはまだ完全には解いていない。引き上げればがくんと傾く先生の身を支えながら、自分は背後に腰を下ろす。上体を少しだけ後ろに倒すと、やがて凭れかかるように先生の背中が俺の胸板にぴたりと重なった。
力の入っていない先生の頭が、トンと肩口に預けられる。額に張り付く髪の毛が目に付いた。
「先生、こっち向いてよ。キスさせて……」
容易く届く距離となった目元に唇を寄せ、涙の痕を舌で拭う。そこに再度口付けて、たまらなく頬を摺り寄せる。
先生の意識は、もうほとんど無いに等しかった。だからだろうか。乞えば先生は素直にそれに応じてくれた。
従順に顔の角度を変えて、薄い唇を誘うように緩慢に開く。その上、挑発するみたいに隙間から舌先を覗かせた。
「…先生……っ」
「っん……、ぅ……っ」
引き寄せられるように先生の口を塞ぐ。触れ合わせた舌を吸い上げ、時折甘く歯を立てる。舌裏に溜まる唾液を掻き混ぜて、新たな雫を口端からこぼれさせる。
その傍ら、
「…――!」
俺は不意に先生の身体から手を退いた。
「ぅ…っ、んん…――っ!」
支えがなくなり、必然と俺の下肢へと乗っていた先生の腰が自重で沈む。中心を突き出すように足を開けば、自ずと深くなる繋がりに先生は瞠目した。
解かれない口付けに悲鳴を上げることすら叶わず、先生は逃れたいように顔を背けようとする。
しかし俺はその余地すら与えずに、それどころか一層彼の身体を押さえつけ、濡れた交接音をそこに付加させた。
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