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番外編.例題その1(9)*
充血して熱を持った内壁を掻き回し、先生がもう無理だと必死に首を振る場所を執拗に突き上げる。
所作につれて唇が離れると、名残惜しいように濡れて光る口元を舐めた。
「んぁっ――あ、もう…っ無理、…だ…っ……」
「あと少し…我慢、して……。次に俺がイったら…今夜は、終わりにしますからっ……」
先生の目の際から、新たな涙が次々に伝い落ちる。俺はその眦に唇を寄せ、先生の身体を強く抱き締めた。骨が軋むのではないかと思うほどきつく、回した腕に力を込める。
ああ、本当に怖いくらいだ。怖いくらいに、俺はこの人を愛している。
絶対誰にも渡したくない。ずっとずっと俺だけを見て欲しい。先生の全てを独占したい。
離したくない。離れたくない。好きで好きでたまらない。俺の方こそ先生しかもう見えない。
胸の奥がせつなく締め付けられる。涙が込み上げるくらい感極まって、視界が滲むのを止められない。
「ねぇ、だから、先生……っ。先生も、俺、以外っ……見ないで――」
掠める絶頂に息が詰まる。それでも努めて言葉を紡いだ。
先生は何も言わなかった。しかし、代わりのように震える指先が小さく動く。
やがてその手が触れたのは、先生を抱き締める俺の腕。頼りない所作で表面を撫でる仕草に、思いがけず胸が高鳴る。
「名木、先生っ……、…っ――」
明確な言葉をくれなくてもいい。先生の真意が知れればそれでいい。
一気に下腹部へと集まる熱に追い立てられて、俺はもどかしいように腰を押し付けた。
終には哀願めいた声で、何度も愛しい人の名を呼びながら――。
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