不意に両頬を桜雅の手が覆い、無理矢理顔を上げさせられ次の瞬間、桜雅に噛み付くようなキスをされた。 一瞬だけ抵抗をするが、すぐに桜雅のキスを受け入れた。桜雅の背中を掻き抱き、透羽は激しく桜雅を求めた。 何度も角度を変え、啄むキスと深いキスを繰り返し、いつの間にか桜雅の膝が透羽の股を割って入っていた。 「あ、さひな……んっ……！」 桜雅が自分の中心を透羽に押し付けてくると、その硬さを感じた透羽の腰が疼いた。 「どうしてくれんだよ……これ」 股間を更に押し付けてくると、顎を甘噛みされ、首筋に唇を押し当てるとペロリと舌先で舐められた。 「あっ……」 思わず声が漏れる。 首筋を何度も甘噛みされ、最後はキツく吸われると跡を付けられた。 「あんたも勃ってんじゃん」 そう言って、桜雅は透羽の中心をスラックス越しに撫でた。 桜雅は自分と透羽のベルトを外し、互いのモノを下着から出すと、一緒に握り込み上下に動かし始めた。 「……っ！は……っ、あっ……」 透羽は目の前にある快楽に無我夢中だった。何も考えられず桜雅の手の動きにしか意識がいかない。 「あ……あ……んっ……こ、声が……」 抑えの効かない声に、思わず透羽は手で口を塞いだがすぐにその手は桜雅によって掴まれ、キスで口を塞がれた。 「朝……ひ、な……もう……イク……っ」 「出せよ」 次の瞬間、教室の床に透羽の白い液が飛び散った。 「あ、あ……んっ……」 射精の快感に透羽の意識が飛びそうになるが、一緒に握り込んでいる桜雅の中心はまだ硬いままだった。 「俺、まだなんですけど？」 悪戯っぽい顔を浮かべられ、その顔を見た瞬間、無意識に透羽は跪(ひざまず)いた。目の前にある桜雅のいきり勃った中心を躊躇う事無く口に含むと、桜雅の体がビクリと跳ねた。 「はっ……」 （大きい……） 愛おしむように桜雅の中心に舌を這わせ、口の中でストロークした。 「さすが上手いな、あんた……」 咥えたまま見上げると、余裕のない表情を浮かべている桜雅の顔があった。 いつも余裕な面持ちで飄々としてる桜雅のそんか姿を見て、少し気分がいい。 不意に頭を抑え付けられると、喉の奥に桜雅のモノが当たりむせ返った。 「かはっ……！」 思わず口を離し咳き込んだ。 「あ、わり……」 軽く桜雅を睨むと再び口に含み、先端を舌先で突くように舐めるとビクビクと桜雅の体が揺れた。 「出る……！」 軽く吸い上げると次の瞬間、桜雅の吐精したモノが喉の奥に当たった。それを躊躇う事なく透羽はゴクリと飲み込んだ。 「飲んだのかよ……」 さすがの桜雅も目を丸くしている。 口の端から溢れたそれすらも、指で拭うとペロリと舐め、 「ああ、飲んだよ」 妖艶な笑みを浮かべ、得意げに桜雅を見上げた。 「エロい顔」 桜雅は苦笑にも似た笑みをすると、透羽の腕を掴み立ち上がらせた。 その時、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。 桜雅に触れるだけのキスをされると、桜雅は教室を出て行った。 （とうとう……） 超えてはいけないところまで来てしまったと思った。 本来の目的である資料室に行くと、しばらく椅子に座りぼうっとしていた。窓を開けタバコに火を点けた。校庭にはジャージ姿の生徒たち。その中に両手をポケットに突っ込んで気怠そうに歩く桜雅の姿があった。 （俺は好きなんだろうな、あいつが……） 初めて体だけではなく、心も自分のものにしたいと思った。 今までの透羽は後腐れのない関係が一番理想だと思っていた。あんな風に嫉妬する自分に驚いた。明らかにあの女子生徒に嫉妬していた。 どうしようもなく桜雅に惹かれている。 好きだと認めるしかないようだった。 その気持ちを認めるのはとても勇気がいる事だと思っていた。だが、案外あっさりと認めてしまえるものなのだと、他人事のように思った。 今までにないタイプだからなのか、それとも教師と生徒というこの関係に酔っているのか……いや、初めて会った時から惹かれていた。この自分が一人の人間に執着している事に信じられなかった。 自分だって一人の人間だ。年が離れているからとか生徒だからといって気持ちを抑えないといけないのか。欲して何が悪い。 「なーんてな」 そんな自分勝手な思いに苦笑いを浮かべる。 （そんな訳にはいかないか……） 大きく一つ息を吐くと、携帯灰皿を取り出しタバコを消すと蓋をした。 それはまるで自分の気持ちに蓋をするように。