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第24話その後2
キノはとても優しい。全てを俺に合わせてくれる。
キノとそういう仲になったのは、互いの気持ちを確かめてからの、2ヶ月後だ。俺のペースでゆっくり身体を重ねた。とは言っても、獣人族は基本俺より身体が大きいため、最後までしたことは数えるくらいしかない。主治医キノの判断の元、自らの体調と相談してキノの雄を受け入れた。そもそも、やり方も詳しく知らなかったので、全てキノ任せである。
性欲というものは、しょうがなく処理するものだった。あっても煩わしいだけで、極力無視していた。それがキノに触れられることで、徐々に開花したのだ。あんないやらしい面が俺にあるとは思っていなかった。訳が分からなくなり、乱れてしまう自分が恥ずかしい。
パジャマの上着を脱いだ俺は、キノの膝に跨る。胸を逸らすと、キノが乳首を舐め始めた。獣人族は、全身に細かい毛が生えている。乳首は毛に隠れているため、俺みたいに丸見えなのは珍しいらしい。
長い舌で先っぽをほじるように嬲り、吸う。キノの耳が俺の頬に当たった。
キノは本当に優しい愛撫をする。それだけでめちゃくちゃ気持ちがいい。そもそも獣人の吸引力は人間に比べたら半端なく強く、手加減しているに違いないのだが、俺には若干強めの刺激だった。
キノに日々吸われた乳首は、すっかり感じやすく敏感になっていた。気持ち膨れているし、情事の後は暫くむずむずしている。
「…………ぁ、ん……、ぁぁっ…………」
キノが満足するまで、乳首は弄られる。
いつの間にか自然に腰が動き、くいくいと固くなった股間をキノの膝へ押し付けていた。
「眞人は可愛いな。ほら、ピンク色から赤い色になった」
「……もう……キノが、吸うから……ぁん…」
「いいや、眞人が可愛い」
違う、と被りを振りたくても、胸からくる快感に頭が占領される。
キノが言いたいことは、100も承知だ。大切な人の誕生日を祝うことも、生まれてきてくれたことへ感謝するのも、愛しさゆえの感情だろう。だが、幸せになることへの恐怖心は強く、母だの父だのを出されると、無意識に拒否してしまう。
愛されている今の自分と、愛されなかった幼ない頃の自分とは、未だにわだかまりがある。受け入れるには、もう少し時間がかかるだろう。
「キノ……キスして」
「もっと上っておいで」
「…………うん」
もじもじと股間を擦りながら、キノの唇を求める。座っている彼の身体を上って、唇と唇を重ねた。
間もなく、キノの舌が口内を蹂躙し始める。息もできないくらい口のなかがキノでいっぱいになった。俺は舌を伸ばし、精いっぱい追いかける。
(好き……キノが好き……大好き……)
キノが俺を抱き寄せ、さらに深いキスをする。
膝の上の情事は、留まることを知らないキノへの愛しさと俺の性欲によって、ますます激しくなっていった。
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