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第25話その後3
キノの手がパジャマのズボンをまさぐり、俺のモノを刺激する。そうなってくると、もう止まらない。花が咲くように、俺のなかで欲望が開花する。
口から与えられた快感と下半身の快感に、蕩けそうになった。
「キノ……もっと触って……」
「ゆっくり楽しみたいが、眞人はそれどころではなさそうだ」
「…………早くっ、我慢できない……」
「分かったよ」
キノの手のひらが、先っぽを撫でる。柔かく湿った肉球がキュウキュウと、鈴口に吸い付く。刺激された鈴口からは、透明の粘液が垂れており、いやらしい水音が聞こえてきた。
「ここ、眞人の好きなとこ。人間が特に気持ちのいいところだ」
「ぁっ……うん、きもちいい……ぁ、イッちゃう……キノ……」
上がってくる射精感を上手く逃し、更なる高みをキノが誘う。
時間を掛けて楽しみたいキノとは反対に、出したくて仕方がない俺は、泣きそうになってしまう。
キノの手のひらに比べたら俺のモノなんて彼の指程度しか無い。弄ぶように、ピンポイントで刺激する。触り方が優しくてしょうがない。
「気持ちいい、っていうのを急がないで、少しづつ味わってごらん」
「そんなの、無理だよっ、むり……」
「ゆっくり、ゆっくりだよ……」
「ぁ……ぁ、ん、はぁ……ぁ……う、んんっ……ごめ、ん、でちゃう……」
吐精により弛緩した衝撃で、パジャマの上着がはらりと床へ落ちた。
このパジャマは、アオノ様から頂いたものだ。
俺と同じ人間であり、王の妃であるアオノ様には数回城へ招待してもらい、この世界について沢山教えて貰った。
濃い空気に注意すること。特に朝方は身体によくないので、スカーフ等で喉を守ること。
獣人のなかには、人間を疎ましく思っている者が少なからずいること。アオノ様が妃として迎えられてから、ますます反発が強くなったようで、俺の身を案じてくださった。
獣人はお洒落が好きなこと。でもサイズが全く合わないから、アオノ様は裁縫の得意な従者にリメイクしてもらうのだそうだ。アオノ様専用に作ってもらえばいいのに、それだと労力と費用がかかるからね、とアオノ様は女神のように微笑んだ。
アオノ様と俺は背格好が似ているので、彼の服を数着わけてもらう。流石にアデル王の好みだと分かる服は選ばなかったが、アオノ様の趣味は嫌いじゃない。どれも俺のお気に入りになった。
「ねえ、キノ。俺には子供が産めないのかな」
俺はアオノ様のように子供を宿す能力がない。実に凡人である。
「何を急に言い出すんだ。彼は特殊で、あの方と同じように考えてはいけないよ」
「キノは王医としてアオノ様を診察したんでしょう?何かきっかけとかなかった?」
「きっかけも何も、急な体質変化で、来たばっかりの頃は長いこと寝込んでいた。随分苦しんでいたよ。今も身体が強い訳ではない。眞人がそんな風になってしまったら、心配で生きるのもままらならないじゃないか。逆に今のところはその兆候が無いから安心している」
結局はキノありきの俺なので、キノを悲しませたり心配させたりしてはならないのだ。
観念した視線を送ると、キノが耳元で囁いた。
「今日はどうしようか。途中までなら挿れても構わないよ」
「え、全部挿れたい」
「それは駄目だ。眞人の身体が一番大切だ」
「途中までなら……いいの?」
「どうせ途中でも、正気のままでいられないだろうに」
「……もう。分かってる。けど、キノを感じたいんだ」
「ありがとう。俺はこうしてるだけでも眞那斗でいっぱいだよ」
愛しい人との甘い時間は、幸せ以外何ものでもない。
俺たちは、ソファへ移動した。
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