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第26話その後4
ソファに下ろされた裸の俺は、促されるがままに足を開く。そして、内腿から、ふくらはぎ、背中、足の先までを丹念にキノが確認した。小さな傷までを確認しないと気が済まないのだそうで、うっかり青アザを作れば、キノからの尋問攻めに合う。
(う……やっぱりそこも見るの……)
キノの確認は、下半身にも及ぶ。頻繁に繰り返されてきたこの行為は、1年経った今も未だ慣れない。
キノは、アオノ様のような変化が無いかをチェックしているらしいのだ。今のところ健康体だ。
アオノ様はこの世界で、子供が産める身体に変化した。今のアオノ様からは想像できないが、前述の通り、苦みながら耐えたらしい。何も無い身体に子宮ができるのだ。考えただけで怠くなる。
「精液はさっき健康的なものが出たから、大丈夫だね。後ろ……は見た感じは綺麗だ」
くに……と後孔をキノの指が伝う。横に広げられているのは、よく分かる。
獣のように毛が生えていない秘部をダイレクトに見られる行為は、恥ずかしくてしょうがない。キノの端麗な顔も近い。俺は腕で顔を隠し、羞恥に耐えた。
突然、後孔に生暖かい感触が伝わる。それがキノの舌ということを気付くのに、そう時間はかからなかった。
「ひゃぁっ……ぁ……だめ……ぁ、ぁぁ……それは……ぁ、や……ん……あう」
後孔から、筋を通って、前も舌で蹂躙される。
ザラザラした舌が行き来するたび、下半身に痺れるような快感が広がった。
こんな変態行為を涼しい顔でやってしまうキノはちょっと怖い。
再び勃った中芯には触れず、キノの指が後孔へ控えめに侵入してきた。キノは後孔に挿れる際は、薄い手袋をする。まるで手術用のような薄い手袋は、鋭い爪で俺を傷つけないためだそうだ。
穴を広げる指は、とても優しく内襞を擦る。どこに触れたら俺が声を出すかをキノは熟知していて、そこばっか擦ってくる。
何度か独りで指を入れてみたことがあるが、キノのように場所を探り当てることは不可能だった。
「ん……はぁ、ぁ、う……ぁんっ……」
「いい反応だ。感度も良好だし、締まり具合も申し分無い。眞人は健康だ。今日は合格」
「よかった……ぁ、キノのが、挿るね」
熱っぽかったりすると不合格で即就寝タイムになる。今日は合格が貰えた。
「半分だけだぞ」
「うん」
獣人と人間は身体のサイズが全く違う。骨格自体が異なるため、着るものも合わない。当然、キノの雄は、俺のそれと比べるまでもない。
いざ目の前にすると、その大きさには息を飲む。長さもさることながら、太さも立派なのだ。しっかりと天を向き、根元が膨らんでいる。
『カッコ良い』意外何も言葉が見つからない。
(俺で興奮してくれてる……嬉しい)
服を脱いだキノは雄そのものだ。長い銀髪を一纏めにし、俺のために精製してくれたアロマオイルを下半身へ垂らす。再び後孔へ指を入れて、オイルを慣らした。キノが解してくれた後孔はゆるゆるのとろとろの状態で、彼を今か今かと待っている。
「力を抜いて、俺を受け入れて………」
「…………んっ…………はぁ…………」
『半分』と言われても、物凄い質量が挿ってくるため、身体が強張ってしまう。
程なくしてキノが抽挿を始めた。
(ん……おっきいの、ゆっくり俺のナカで動いてる。すごい……きもちいい)
途中、緊張を解す効果のある、優しく吸い付くかのような深いキスをキノがすると、余計な力が抜けていく。唇がキノを求めて止まない。
「ぁ、ぁ………っふ、ぁんっ……ぁ、ぁ、ぁ…………ぅ、ぁ………」
「眞人、気持ちいい?」
キノの問いに、俺は必死で頷いた。
愛されていると思う。家族というものを知らずに生きてきた。愛に疎い俺でも分かる。これ以上無いかってくらい、キノが愛情をくれる。ルークも然りだ。彼らは安心をくれる。
生きていて良かったと、そう思える日が来るなんて、想像もしていなかった。
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