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第2話

久々に見た心配そうな母親の顔。 気が付くと俺は病院のベッドの上で点滴をされて寝かされていた。 寝ている間に検査は終わっていたから楽だったが、どうやら俺は体調不良と空腹による貧血で倒れたらしい。 朝は胃が起きてなかったから抜いた。 昼は担任と校長に呼び出されて説教されてそのまま退学を言い渡された後だったから何か全部どうでも良くなって食べなかった。 体調は悪かったのか? そういや朝熱っぽかったな。 怠かったし。 どうやら母は退学になったショックで倒れたって思ってるらしいが、母よ、俺はそんなに柔じゃない。 他に原因があるのではなかろうか。 医師を見詰めると 「大事な話があります」 医師は口を開いた。 医師の話によると、俺はΩらしい。 倒れたのは初めての発情の予兆に身体が対応出来なかった為らしい。 そういや中学の時検査あったけどサボったからなぁ。 適当にβだって言って誤魔化していた。 って、Ωかぁ。 Ωって発情したり妊娠したりするんだろ? なんかめんどくせぇ。 これからは定期的に発情抑制剤の服用をしなきゃならないが、校則さえ守れなかった俺がそんな規則なんて守れる筈ない。 適当に分かったよ飲めば良いんだろ?と薬をその場で飲んだが、多分母親の目が届く範囲外では絶対に飲まないと思う。 つか、飲むの忘れる絶対に。 で結局飲み忘れたまま外出したら来てしまいましたよ、初発情期ってヤツが。 お~お~、スゲエスゲェ。 メッチャ身体熱い。 ドックンドックン心臓なるし、ガクガク身体震えるし、汗スッゲェ出る。 取り敢えず帰るか。 そう思い歩きだしたら 「イッテ」 何かにぶつかった。 顔を上げると 「スッゲェな、お前」 有り得ない位のイケメンが目の前に居た。 どうせ番になるならこんなんが良いな。 美形が顔を歪ませるんのスッゲェ萌えそう。 綺麗だろうな、コイツの顔。 想像しただけでイケそうだ。 って、あれ? なんだ、コレ。 ヤッベェ、意識おかしい。 頭真っ白で何も考えられねぇ。 「オイッ、大丈夫か?」 遠くで何か聞こえるが全く耳に入って来ない。 薄れる意識の中、見付けた、俺の中の何かがそう言った様な気がした。

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