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第5話
「操と同じ小学校だったんだな。卒業アルバムに載っててビックリした」
ああ、それで電話番号が分かったのか。
って、卒アルに電話番号って載ってたっけ?
「倭京が来なくなって色々調べたんだ。小学校にも行った。そしたら運良くその頃の担任が居てね、色々教えてくれたよ倭京の事」
「………………………っ…」
知られた。俺の事。
「最初倭京は操と仲良かったんだな」
そうだ。一緒の委員会で、読む本の趣味も似てて話していて楽しかった。
だけど、途中で性癖に目覚めた。
その頃の俺は唯々可愛い子の涙が見たくて色々な子を流していた。
そしてその興味は日野に迄及んだ。
仲の良かった俺から突然向けられた悪意。
戸惑い嘆き悲しむ様が物凄く可愛くて大好きだった。
泣き顔が見たいのになかなか見せてくれない日野。
ヤケになって苛めはエスカレートした。
だけど、気が付くと日野は毎日傷だらけになっていて、暴力は振るってないのにどうしたんだろう?不思議に思った。
だから俺は日野を影から隠れて観察した。
すると女子が集団で日野を叩いたり押したりしていた。
…………え?
驚いた俺は日野に聞いたが、日野は苛めを隠した。
日に日に増える傷を見たくなくて、俺はターゲットを変えた。
その後は罪悪感もあってか完全に日野とは接触しなかった。
次のターゲットを苛めだしたら日野の事は脳内から消えた。
元々良心なんて持ち合わせていない。
俺はそういう人間だ。
「どうして操を苛めた?」
やっぱり知ったんだな。
「小学校の間ずっとお前が操を苛めてたんだな」
え?
ずっと?
俺が日野を苛めたのは短期間だ。
ターゲットを変えてからは一切接触していない。
「お前の学校の先生に聞いた。6年間ずっと倭京が操を苛めていたって」
どういう事だ?
苛めた事は間違っていないが、話が全く違う。
「中学でもお前が指示を出していたと聞かされた」
なんだ、それ?小学校の先生も中学の先生も嘘をついたのか?
………………ああ、そうか。
他の生徒の名前を出したくないから俺の名前を使ったんだ。
俺に全部罪を被せれば他の奴等は無実だって考えてるんだ。
確かに俺は今迄散々な事をしてきた。
だけどまさかそのしっぺ返しが初めて好きになった人にきてしまうなんて。
嫌だ、このままじゃ嫌われてしまう。
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