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第2話 見た目だけは完璧イケメン

「あっ、ん」 後ろにいるクラスメイトは、オレの乳首をやんわりとなでてきた。 「いい声」 からかいをふくんだ声音に、オレはグッと歯をくいしばった。 オレをいたぶっているクラスメイトは、背はオレより高い。 175センチのオレとは10センチも差はないけど、もっと高く感じる。 ウエイトは相手の方が見るからに上。 完全に体格負けしている。 スタミナも底なしの怪物くん。 偏差値の高い学園で成績は常に上位にいて、頭の中身のほうは完敗だった。 中等部から学園にきた帰国子弟。 ついでに、どこぞのお坊っちゃまでセレブ。 すべて負けてるみたいだが、顔だけはオレ達の系統が違うから判定不能。 もしかしたら、幼少期母親譲りの顔をしていたオレの方が親しみがあって、万人受けするかもしれなかった。 オレの体をいじりまくっているクラスメイトが、だからと言って、不細工なわけじゃないけど。 『美し過ぎて近寄りがたい』 なんて、シンパの奴等に崇められていたりする。 他校には、ファンクラブなんていう代物も存在するらしい。 そして、学園内で最大の隊員数を誇る親衛隊が結成されていた。 どこでもかまわず、盛ってくる変態の何がいいのか。 ほんと、理解に苦しむ。 こんな精力魔神のどこがいいのか、さっぱりわからない。

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