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第4話 自慰強要されてもね
龍ヶ崎の目元がほんの少しだけ、やわらいだ気がした。
からめた手をそのままにして。
オレの腰を抱いていたもう片方の龍ヶ崎の腕が、
「つぅ……マジでやめろっば!」
制欲のズボンのジッパーをさげて、パンツの上からアレをもんできた。
龍ヶ崎は直接さわるのが、胸だけじゃあ飽きたようだった。
「口では、拒否ってるけど。体はやる気満々だよ?」
と、龍ヶ崎。
「そんな気ないよっ!」
「それなら何で、こんなに濡れてんの?」
「……濡れてない」
否定してみたけど、無意味だ。
「おもらししたみたいに、パンツにシミができちゃってて。チンコだって、こんなに熱くて、大きくって、イきたいでしょ?」
と、龍ヶ崎。
わざと強調するように区切って話すし。
龍ヶ崎の拘束から逃れられないのは、もう何度も経験済みで。
だから、オレはうなだれて、首を横にふることしかできない。
「僕にイかされるのが嫌なら、自分でして」
「はい?」
思わず、龍ヶ崎の顔を凝視した。
それは、つまり、オナレって、ことですか?
「頭悪いね、悠人は」
龍ヶ崎がオレの名前を口にするのは、不機嫌な時だ。
「イヤだ」
と、オレ。
「逆らってばっかりだね」
おまえさぁ、目がね。
ほんとに怖い。
なんで、そんな目ぇして、エッチできんの?
一気に萎えたよ、オレ。
チャラいと言われるみてくれで、誤解されることが多いけど。
オレって繊細なんですけど。
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