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第5話 首がもげそうなのに、溺れてしまう口づけ

「ぐえっ!」 下をいじっていた龍ヶ崎の手が、オレの顎を持ちあげ、 「く、首ぃ…んっ、つ」 むりやりねじられた首が痛いのに、キスされた。 下唇を噛まれた。 かなり痛い。 龍ヶ崎をにらんで抗議すると、 切れ長な黒瞳が細められた。 お互いに目を開けたままの口づけ。 なんて、情熱的。 なわけがあるか。 首を不自然にねじまげられ、唇をかまれ。 鉄臭い味が口内にあふれ、気持ち悪いよ。 「…くっ、ん」 龍ヶ崎の舌がオレの上顎をなぞった。 目は開けていられなくて。 だしたくもないのに、変な声がでてしまう。 「はぁ…っ」 快楽のスイッチを刺激され続けられ、虚勢をはれなくなった。 苦しい体勢で、何度も執拗になぶられる。 歯列をはう龍ヶ崎の舌先。 からみあうお互いの熱い舌。 口角からたれる唾液。 口内にたまった唾液を飲みこんでも、嫌悪感はわかない。 呼吸もままならないような口づけ。 苦しくて。 でも、 感じて。 喉元をつたう唾液ですら、快感にしかならない。 たかが、キスひとつで。 堕ちてしまうほど、自分は、安くなかったはず。 なのに、龍ヶ崎とのキスには溺れてしまう。 主導権はゆずりっぱなしだけど、そんなことは、もうどうでもよくて。 気持ちよくって、わけがわからなくなる。 それが、怖くて、嫌だ。

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