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第9話 せめて50点はとりたい

龍ヶ崎に、制服の水色シャツを肌着ごとたくしあげら、胸に舌をはわされた。 「っ……」 ペチャペチャと耳障りな音をたてられた。 左の乳首を吸われて、 「あぁ…」 オレの背がしなった。 しつこく、ねちっこく、しゃぶってくる。 「痛っ!」 突然、乳首を遠慮なくかじられた。 甘噛みなんてかわいらしいものじゃない。 血がでるんじゃないか、というぐらいの強さでだ。 オレの目元が一気にうるんでくる。 「あっ、うん……」 女みたいな高い声がでた。 じんじんする乳首を、いたわるように、なめられたからだ。 「いい声」 と、笑いをふくんだ龍ヶ崎の声が、オレの胸元でした。 「ソコ、嫌ぁ……」 と、オレ。 「ソコって?」 龍ヶ崎が顔をあげて、オレを見下ろしてきた。 清んだ黒目がガラス玉みたいだ。 「……胸」 と、オレ。 「違うでしょ?」 「乳っ」 なかばやけくそだ。 「違う」 くそったれ。 「ち、ちくび」 「教えたでしょ、悠人」 オレの名前を呼んだ。 怖い。 脳に刷り込まれてる恐怖は消えない。 「……オッパイ」 「誰の」 「……悠人の…オッパイ」 恥ずかしくて死にそう。 とんでもない言葉をさんざん言わされてきたけど、何度、口にしても慣れない。 慣れようとも思わないけどね。 「25点」 と、龍ヶ崎。 赤点だよ。 まったく何を基準にした採点だよ……。

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