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第14話 好奇心は猫をも殺す

「ちゃんとあるよ」 と、オレ。 危機感は常時装備している。 対、龍ヶ崎用として。 龍ヶ崎の怒りの沸点が思ったよりも低くて、オレは墓穴を掘らないように気をつけるようになった。 機嫌の取り方をまだ攻略していないけど。 「ふうん」 龍ヶ崎は疑わしそうな視線をむけてきた。 「僕には関係ないけど、痛い目をみるのはあんただよ?」 オレの腕から手を離し、龍ヶ崎は前にむき直った。 ゆっくりした足取りで歩き出した。 後をついていかないオレに、 早くこい、 なんて、 龍ヶ崎は言わない。 どこ、いくの? なんて、オレも聞かない。 エッチ未遂で、ひと安心。 な訳、いかないよなぁ。 不本意だけど、 体のほてりがしずまらない。 キスの気持ちよさも、胸の愛撫もまだ(くすぶ)っている。 拒絶してたけど本当にやめられると、困る。 あのまま、あそこでするのはなし。 ふだん勉強している自分の教室はありえない。 でも、オレたちは教室以外ではヤってるんだよなぁ。 保健室や空き教室やトイレで。 今すぐにも、 すがりついて、 して。 そう、 言ったら、 あのきれいな顔が、どんなふうになるか、 見てみたいけど。 好奇心で、自滅するなんて、まっぴらだ。

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