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第17話 生徒会会長は幼馴染み

オレの通っている私立芙蓉学園は、富裕層の子息が多く在籍する幼稚園から大学まであるエスカレーター式の学校だ。 大学以外は男子校で、要所要所で外部入学ができるようになっていた。 幼稚園から所属している生粋の芙蓉生は数が少なく、特別視されており他の生徒とは一線を画している。 中高等部は、都心から離れた地方都市の外れの自然豊かな場所にあるために全寮制だった。 やっぱ、肉にすればよかったなぁ。 うなぎじゃなくても、精力つけれるし。 つうか、体を守ろうとする自分が嫌だ。 かなり物欲しそうにしていたのか、もう一度、野間に肉を差し出されて、パクリと口にいれた。 「おいしいぃ」 と、自然と笑んでしまった。 「簡単に餌付けされてんじゃないよ、悠ちゃん」 頭の上から声がふってきた。 見上げなくても、誰かわかるのが、すこぶる不快だ。 声の主は三浦陽二(みうら ようじ)。 オレの隣の席に座ってきた。 薄茶色の髪に、グレーの瞳。 背はオレより、やっぱり高い。 周りが、デカイやつらばっかで、ほんと、腹が立つ。 オレの身長はちゃんと平均をこえて、175センチあるのに。 陽二は、日本とどっかとどっかの国のクォーター。 たしか、ホテル王の孫。 美しい顔に、歯がうくようなセリフを平気ではけるので、王子様と呼ばれている生徒会会長様だ。 幼稚園からの腐れ縁。 ありがたいことに、クラスは違う。 「……許可してないのに、座るな」 と、オレ。 「最近うなぎばっかりだね。マイブームなの?」 一緒に食事しないのに、なんでオレの食生活把握してるの? 誰だよ、オレの食べたものリークしてるの。 …………プライバシーがないよ。 陽二は注文タブレットのタッチパネルを操作しはじめた。 思わず、陽二の手をつかんだ。

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