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第29話 レースのハンカチ(2ヶ月前、9)※

「いやっ…うんんんっ!」 射精寸前のアレの根元を、先輩にぎゅっとにぎられた。 「まぁだ、ダメ」 「やだぁ……イきたい。手ぇ離して」 泣きながら訴えても、聞き入れてもらえず。 先輩は自分のブレザーのポケットから、ハンカチを取りだした。 あろうことか、 オレのアレを、 それで、 結んだ。 あまりにも予想外の行動に、拒絶の言葉を一言も発せなかった。 フル勃起アレの真ん中に、巻き付けられたピンク色のレースのハンカチ。 救いといえるのかわかないけど、リボン結びじゃなくて、片結びだってことぐらい。 「う~ん、桜井くんにはピンクより、赤だったなぁ。黒も似合いそうだけど。首輪は絶対に赤だね」 先輩は悦に入っている感じで、話しかけてくるけど。 オレはショックから、すぐには立ち直れなくて。 呆然と先輩を見るしかできなかった。 「すごくそそるよ、その顔」 初めて聞く余裕ない先輩の声。 だらだらとあふれるオレの先走りを、先輩は細くて白い指ですくった。 ケツの穴に指先がふれ、 「どこ、さわって……んだよっ」 と、オレ。 「アナル」 と、先輩が即答。 否、そんなん言われなくてもわかるから。 「なんで?」 単純に疑問をなげかけたら、 「使うから」 「はあ?  痛ぁっ!」 固い穴の入り口に少しだけ指がはいった。 アナルを使う? 先輩のじゃなくて、 オレの? 冗談じゃない。

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