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第30話 オレはタチですから(2ヶ月前、10)

「痛いのなんて最初だけだから。すぐ良くなるから、我慢ね?」 先輩の指がぐいぐいと奥に入ろうとするけど、固い穴は指を受け付けなくて、なかなか先に進まない。 「やっ、やめろっば!」 自由な左足を動かすが、脱ぎかけのズボンが邪魔で、ちょっとした抵抗にもならない。 「暴れないでよ、見苦しい」 と、先輩は吐き捨てた。 だって、痛いんだってばっ!! 攻めるんだったら、ちゃんと準備しろよ! 受け入れるのに、一番苦労する難所を、 何度も何度も何度も、抉ってくる。 一番丁寧に慎重に、ことをすすめなきゃなんない肝心な段階なわけで。 ここをないがしろにすると、その後の展開に大きく左右される大事な局面、 な・の・に。 濡れない場所を、 かわいた指で、 つついてくる。 けっこうな圧迫感で、グリグリと、こじ開けてきた。 指、何本、使ってんだよぉ。 暴れて、暴れて、 頑張ったけど、 先輩を、 ふりほどけない。 「ねぇ、きみって、薬がきかない体質?」 いえいえ、 恐ろしいくらい、きいてますからっ! だって、 ケツの激痛で、涙がちょちょぎれてんのに、ちんこはギンギンで、まったく萎えません。 あんたの攻め方が下手なんだよっ! 痛みを快感にすり変えるような、 変換スキルを兼ね備えている、 上級者な仔ネコちゃんとは、 オレは違うからっ! だって、オレは、ケツいじられて、喜ぶ性質じゃないんだってば。 「タチがケツで感じるわけないじゃん」 「へぇ、まだ、まともにしゃべれるんだ? すごい精神力」 と、先輩はニタリと笑った。 第一印象とは、かけ離れた相貌。 本性丸出しだ。 「思い込みって、こわいなぁ。 でもね、気持ちいいって認めてしまえば、簡単に転んじゃうよ?  桜井くんみたいなタイプは特にね。 きみの体って快楽にすごく弱いし。 じっくりと、壊してあげる」 抱き合うんじゃなくて、 犯したい。 ただの強姦魔だ、こいつは。

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