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第39話 薬の効きが悪いんです(2ヶ月前、19)

龍ヶ崎がベッドにあがり、オレの股の間に足を入れて跨がってきた。 「ちょっ、汚れるからっ!」 手で龍ヶ崎の胸をおすけど、ビクともしない。 「ティッシュっ」 「いまさら、汚れたって変わりないし」 龍ヶ崎はオレの顎をつかんで、顔をのぞきこんできた。 「あんた、普段、薬とか常用してんの?」 と、龍ヶ崎。 「はぁ? どういう意味」 「危険ドラッグとか使ってる?」 「使うわけないだろっ」 いきなり、なに? この体勢できくこと? ちなみに、オレ、裸なんだけど。 あ、靴下はいてますが。 龍ヶ崎は、少し首を傾けた。 まるで、キスをせまられる仕種をされて。 「……かぜ薬とか飲んでも、あんまり効かなかったりする?」 と、龍ヶ崎。 「なんで、知ってんの?」 「……薬、効かない体質か」 「それが、なに?」 「あんたが食べた飴。かなり、たちの悪い強烈な媚薬なんだけどね。思ったより、抜けるの早そうだから」 「……たちが悪いって?」 「本来なら、超淫乱になっちゃうんだけど。そんな感じしてないし、もうちょっとしたら、帰えれるかもね」 そんな恐ろしいモノを飲ませやがって。 先輩にイタズラされてた時は、かなりやばかったけど。 いまは、せっばつまった感じはないし。 だけど、 まだ、勃ったままのオレの分身ちゃん。 ……もう、帰っていいかなぁ? いま、外に出ると、神田さんや他の風紀委員の面々がいるわけで。 「もうちょっと、ここにいていい?」 と、オレ。 「なんで?」 「今、出ると風紀の人いるし」 「その顔じゃあ、まだ外には出せないよ」 「悪かったな、汚い顔で」 「……汚い顔って。あんたの顔?」 「きっと、泣いたから目は腫れてるし。鼻水も出たから鼻は真っ赤だと思う」 龍ヶ崎があきれたような顔をした。 「もうちょっと、自分が人にどう見られてるか、自覚したら?」 と、龍ヶ崎。 「ちゃんとしてるよ。不細工で人前に出られない顔だよ」 「怖いなぁ、思い込みって」 龍ヶ崎がくすっと笑った。 「はぁ?」 「あんたのいまの顔、思いっきりエロ顔なんだけど」 「……ばっかじゃないの? オレがそんな顔するわけないじゃん」 龍ヶ崎に手をつかまれ、龍ヶ崎のズボンの上から股間をさわらせられた。 「やっ……」 「醜いもん見て、ここ硬くしてるぼくは、ただの変態?」 と、龍ヶ崎。 きれいな黒い瞳をすうっとほそめた。

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