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第42話 曖昧な記憶だけど、胸デイキマシタ(2ヶ月前、22)

このへんからは、かなり記憶が曖昧だ。 胸だけをなぶられるだけじゃ、どうしてもイけなくて。 龍ヶ崎に泣きをいれたら、体をひっくり返された。 仰向けにされて、冷ややかな黒い目にみつめられ、なぜか、涙があふれてとまらなくなった。 「そんなに痛かった?」 龍ヶ崎に少しあきれたようにきかれた。 オレは、肯定することも否定することもできなかった。 確かに、かなり痛かったけど、すごく気持ちもよかった。 胸が感じるなんて、嫌だった。 「……オレ、こんな……らにゃい……のに」 「気持ちいいのは媚薬のせいだから。難しく考えないで。桜井は素直に感じていて」 龍ヶ崎はオレの耳たぶを食みながら、ささやいた。 媚薬のせい。 オレがおかしいんじゃない。 どこをさわられても感じるのは、薬のせい。 判断能力に欠けた頭は簡単に納得してしまう。 龍ヶ崎の言葉を、 おまじないのように、 すんなり、受け入れてしまった。 オレの眦にながれる涙を、龍ヶ崎が舌先で舐めていく。 頬に唇が移動し、オレの口を舐め、舌が歯列をわって、はいってきた。 オレの舌に舌をからめてきて、 吸われて、上顎をこすられ、 唾液をそそがれ、 飲み込まされても、 ぜんぜん嫌悪感はわかなかった。 なんでもかんでも、媚薬のせいにして、あたえられる快楽におぼれた。 「あんんっ……あっ…うううっん……」 赤く腫れた乳首を舐められ、嬌声がでた。 声をおさえることなんか頭になくて、ひっきりなしに、甘い喘ぎがもれた。 舐められて、しゃぶられ、べちゃべちゃになった胸から、龍ヶ崎が顔をあげた。 「ねぇ、桜井。どこが感じるの?」 「むれ……」 「胸じゃなくて、オッパイだよ。言ってみて」 うながされるままに、 「オ…パイ」 と、オレは答えた。 「誰の?」 「オレろ」 「オレじゃない。悠人でしょ。どうして欲しいの?」 「ゆうとろ、おっぱい……にゃめて」 龍ヶ崎が口元をおさえて目を見開いた。 無言でみつめられ、 オレは、龍ヶ崎の頬に掌をそえて、 「りゅう……がしゃき、らめ……?」 舌足らずにたずねたら、 「……最悪」 と、龍ヶ崎が吐き捨てた。 胸に吸い付かれ、 とがりきった乳首をかじられ、 「ぃやあっ!」 と、甲高い声をだしてイってしまった。 痛いのが気持ちいいなんて、 ヤバいのに。 「オッパイだけでイっちゃったね。いやらしくて、いけない子だね」 イったばかりで、 まだびくびくしているオレのアレを、龍ヶ崎はさわり、 「勝手にイって、粗相ばかりする悠人のおちんちん。また縛って、もうイけないようにしようか?」 楽しそうにささやかれた。 「ひばるにょ、やらぁ……ごめんにゃ…しゃい」 そこに熱がたまって、 出したくても出せなくて、 辛くて辛くて、どうしようもなかったのを、もう一度、味わうのは、絶対に無理だった。

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