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第43話 うろおぼえだが、シャブリマシタ(2ヶ月前、23)

オレはぽろぽろと泣きながら、 「……いらだ。りゅう…ゆるして」 龍ヶ崎に懇願した。 「そんなに、嫌?」 うなづいたら、 「じゃあ、しゃぶって」 龍ヶ崎が頬をなでながら言った。 かすんだ視界に真顔の龍ヶ崎がいた。 ゆっくりと、服を脱いでいく龍ヶ崎を、 オレは、ぼんやりと見ていた。 広い肩幅、割れた腹筋、くびれた腰、 長い手足、そして、大きな性器。 うながされるまま、 龍ヶ崎のを口にふくみ、舌をからめ、舐め、しゃぶった。 口の中に射精されて、 「飲んで」 と、龍ヶ崎に言われた。 だけど、飲めないと、首を横にふったら、 「口、開けて」 と、指示された。 多量にだされた精液を口に入れた状態で、 少し、口を開けた。 下唇の先から唾液と混じった精液が、こぼれていく。 「……もっと大きく、口を開けなくちゃ」 龍ヶ崎から視線をはずさず、 大きく口を開けると、 口角から、たらたらと白濁液がたれていった。 「すごっ……」 と龍ヶ崎が言い、 片手をオレの胸元に差しだして、 「だして」 龍ヶ崎ののきれいな掌に、 口腔内にある精液を吐き出した。 手からこぼれていく白い体液が、 龍ヶ崎の太ももにかかった。 そして、肌をつたい、シーツの上におちた。 視線をあげたら、龍ヶ崎に口付けられた。 鼻で息をするのもままならない。 口内に残っていた龍ヶ崎の精液と、 そそがれた唾液がまざって、 くちゅりと卑猥な音をだした。 苦味を不快に感じる理性は、もうなくて。 ただ、ひたすら、 あたえられる愉悦におぼれた。 口の中に快楽のつぼがあるなんて、 しらなかった。 気持ちいいところを、 くまなく探り当てられた。 背中を快感がかけぬけ、熱くなった。 キスだけで、体がたかめられていく。 まるで口淫だった。

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