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第56話 交渉成立したけど(2ヶ月前、36)
「こっちの条件をのむなら、悠人の強姦未遂とラブ・キャンディの件をチャラにしてやるよ」
と、再度、神田さんに言われた。
「どうしてオレを風紀に入れたいわけ?」
と、オレ。
「生徒会にとられたくないじゃん? 」
と、神田さん。
「はあ?」
と、オレは眉間に皺をよせて、神田さんをみた。
わけわかんないんですけど。
「で、どうするよ?」
と、神田さん。
「いま、決めなきゃならないんですか?」
と、オレ。
「時間を引き延ばしても、意味ないでしょうが」
と、龍ヶ崎。
「ち、近いって」
と、オレ。
横向きのオレの顔に、龍ヶ崎がきれいな顔を近づけてきた。
「決めた?」
と、神田さん。
「ぐぅ」
と、オレはまたうなってしまった。
なぜか、二人共、顔が近いって。
オレは大きく息を吐いた。
「風紀に入っても何もしないけど、それでもいいの?」
何かしろ、と言われても出来ないけど。
「いるだけで、OK」
と、神田さん。
「その条件をのみますよ」
と、オレ。
「それじゃあ交渉成立だな」
よいしょ、と神田さんは声をだしたあと、ベッドからおりた。
「腹減ってんだったな。なにか買って部屋に持っててやるよ」
神田さんは、さっさと仮眠室から出ていった。
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