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第57話 龍ヶ崎の条件(2ヶ月前、37)

「あんた、バカ?」 と、龍ヶ崎に言われた。 「事案がでても、外部にもれたりしないよ?  委員になった時点で誓約書を書くし。破ったりしたら処分されるからね 」 龍ヶ崎に虫けらを見るような目でみられた。 「じゃあ、なんでおまえは風紀にいるんだよ?」 龍ヶ崎をにらんだら、 「誘われたから。それに風紀委員特権を利用できるしね」 と、しれっと龍ヶ崎が言った。 「いままで無事に過ごしてきたあんたが、いまさら、風紀に入る意味があるとは思えないけど。まぁ、神田さんの引退祝いとして、受けてもいいんだけどね」 と、龍ヶ崎。 「でね、神田さんの条件をのんだんだから、次は僕の番」 龍ヶ崎につかまれた腕に力が入ったのか、少し痛みがする。 「好みでもなんでもないあんたの性的面倒をみせられたんだよ。僕からの条件は一つだけ」 「は?」 性的面倒……。 否定できない自分が嫌だ。 「桜井悠人が僕の性奴隷になること」 「へ?」 意味がわからない。 「冗談言うんだったら、もうちょっとマシなのにしてよ……。好みじゃないオレがなる意味ないし。それに龍ヶ崎はそういうのに、不自由してないだろうが」 「無条件になにをしてもいいオモチャなんて、普通は手にはいらないでしょ?  こんなチャンスは二度とこないかもしれないのに、逃すわけないじゃない」 ……オモチャ。 人のことをそんなふうに、堂々と言ってのけるやつ。 「龍ヶ崎、おまえ、頭おかしいよ」 「そのおかしいのに、体をなだめてもらっるのにね。あんたはタチだから色気ないし。やりたくなったら、呼び出すくらいがせいぜいだろうなぁ。セフレで妥協してあげるよ」 性奴隷の定義がわからないから、 セフレとの違いが理解できん。 「絶対にヤダ」

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