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日置くんはコスってほしい13
下着はつけていないから、うっかり不要なモノが写真に写ってしまわないよう、慎重にスカートで隠す。
そして腰をひねって軽く曲げた膝を倒し、内モモとモモの後ろ側を見せつけた。
「ほら、サツマが吸ったとこ、薄らキスマークになってる」
「あ……ゴメン」
「いいよ。……ちょっと薄いね。サツマ、もっと濃くしてよ」
「あ……ああ!う……うん!」
さっきまで好き勝手にキスしていたくせに、戸惑い気味に足に顔を寄せた。
でも、うれしそうだ。
「んんっっ」
かなり強く吸ったのか、キュッと痛みが走った。
濃くなったキスマークをすかさず日置が写真に収める。
……けど、ちょっとアップすぎ。
多分フトモモしか写ってない。
マジでフトモモ好きなんだな。
少し足を動かすと一瞬日置がフリーズして、それからシャッターを下ろした。
このパターン……。
「サツマ……今、撮っちゃダメなヤツ撮っただろ」
「あ……う……そ……その。ゴメン」
オレに見せることなく慌ててデータを消した。
それから、オレのスカートのお尻のあたりをちょいちょいと直す。
……何か見えてたんだな。
「その、絶対見えちゃダメなものは撮らないから……四つん這いも撮らせて」
日置のリクエストに応えて、四つん這い。
でも、下着をつけていないから、ちらちら何か見えるんだろう。
見えてるときに写真を撮ったりはしないが、日置がすごくうれしそうだ。
柱にすがるように背中をむけて膝立ちになって振り返ると、日置が『かわいい……かわいい……』とブツブツ言い始めた。
軽く足をひらいて、お尻が出ないギリギリまでスカートをまくり上げる。
多分、日置のツボだと思うんだけど……。
って、うん、メチャクチャ興奮してるな。
「ここれだとキスマークは写らないか」
日置が畳に寝転がって写真を撮り始めた。
「ラブちゃん、その……お尻の下のほうがちょこっとだけ写っちゃってもいい?この丸みが……すごく、かわいい……」
「ん〜〜。あとで確認。アウトだったら、消去」
「ありがとっっ!! ああ、もう、ほんと可愛い。ラブちゃんの足とお尻、最高」
大喜びだな。
「サツマ、またガン勃ち」
「えっっ!? あ、気付かなかった。いや、ちが、いつもはこんなじゃないんだ。ほんと、違うから」
「じゃ、何で今日はこんななの?」
「それは……わ、わかってるだろ?大好きなラブちゃんとあんなことして……今もその余韻の残る色っぽい姿を撮影してるんだから」
すねるように言い訳する。
けど、わかるよ。
オレも、日置の熱っぽい視線にやられて、またちょっと反応しかけてる。
「サツマ、さっきも言ったけど、ツアー終わってからオレのこと見つけられたら……ご褒美あげる」
「うれしいけど、本当に?また会ってくれるってこと?」
不安げな目でオレを見つめてくる。
「このツアーのあと一ヶ月以内にサツマがオレのこと見つけられたら……だよ。オレがサツマを見つけるのは簡単。A市の大学生だろ?サツマみたいなイケメンだったら、すぐに見つかる」
「え……イ、イケメンって……そんなことは……。ラブちゃん、俺のことイケメンだって思ってくれてるの?」
「謙遜?逆に嫌味だよ?」
「ち、ちが……、女の子にそう言われることはあるけど、男目線って違うだろ?」
ああ、やっぱ当たり前みたいにイケメンって言われるのか。まあ、そうだろうけど。
「イケメンだとは思うけど……別に、好みじゃない」
「あ……うん……」
日置がションボリと肩を落とした。ふふふっ、オレの一言で一喜一憂するってのが、本当に楽しい。
「オレのこと見つけられなかったら、ホントにもうバイバイだから」
「いや、大丈夫!俺がラブちゃんに気付かないなんて、そんなことあるはずない」
そんなこと言いながら、オレ(伊良部)だって全然気付いてないじゃないか。
「でも、さすがに俺もちょっとすれ違ったくらいじゃ、見てないかもしれないから……」
「ちゃんと顔を見せるよ。それともサツマは本当は、オレに会えない方がいいの?」
「そんなわけない!会いたい!また会いたいよ」
「でも『イブ』のときと普段は全然感じ違うぞ?」
「大丈夫、いくら服装が違っても、ラブちゃんはラブちゃんだから」
そう言って、日置の視線がちらっとオレの足をなぞった。
……コイツ……。
「普段は足も出してないぞ?」
「えっ、あ、そっか、いや、大丈夫。顔も、足も身体も、ニオイも味も、ぜんぶ合わせてラブちゃんだから」
ニオイや味なんてどうやって確認するんだって思ったけど、まあいい。
「じゃ、オレのこと見つけ出してよ」
「任せといて!」
日置の首にそっと抱きついたら、力強くぎゅっと抱きしめ返された。
バイトのときならコイツに『任せといて』なんて言われたら、本当に頼りになるんだけど……今日はちょっと、心もとないな。
でも、一ヶ月もあるんだ。
ちょっとずつ気付かせるには充分すぎるくらいあるだろう。
ちらっと視線を走らせると、オレの下着が畳の上に散らばっていた。
ちょっと行儀は悪いけど……。
ぺたっと畳に座って、ボクサーパンツを足の指で引っ掛けた。
そしてその足を日置に向ける。
「サツマ、穿かせて?」
また日置の頬が、デレッとゆるんだ。
脱がせる時には手がブルブルだったけど、さすがにもう震えてはいない。
右足首をくぐらせ、今度は左足。
浮かせた足にスルスルと下着を通していき、膝まできたら一回眺めてまた嬉しそうに頬を緩める。
ちゅっと膝に一つキスを落として、フトモモまできたら、抱き寄せてオレを立たせた。
「ダメだぞ」
ちらっとカメラに視線を送った日置に釘を刺す。
見せパンはいいけど、ボクサーパンツを途中まで上げた状態で写真を撮られるのはさすがに嫌だ。
「じゃ、代わりに……その、穿かせやすいように、ラブちゃん、また自分でスカートまくり上げてくれる?」
え……また????
ソレ、ほんとに好きなんだな……。
そろそろとスカートをまくり上げると、やっぱり日置の息が荒くなる。
急に日置が両手でパンっと自分の顔を叩くように覆った。
けど目はしっかりこっちを見たままだ。
あれ?どうしたんだ?
そう思って見てみると……スカートをモノが見えないギリギリまであげた……つもりだったけど、ちょっと上げすぎてたようだ。
まだ日置の唾液でじっとりと濡れてるモノが、スカートのすそからちょろっと顔を出してしまっていた。
なんだか妙に恥ずかしく、さっとスカートで隠したけど、日置はだらしないニヘニヘ顔で、またオレの下着に手をかける。
そして片膝立ちで、スカートの中に手を差し込んで、ボクサーパンツをスルッと上げた。
「……サツマ?どした?」
穿かせ終わったポーズのまま何故か日置が止まっている。
「はぁ……もう、このまま死んでもいい……」
「えぇえ……???? なんだよそれ。パンツ穿かせて死亡って、意味が分からない……」
「いや、穿かせたのもそうだけど、この……スカートの中の、ラブちゃんの秘された空間に、今、俺の手が入っているっていう、この構図が…………至福!」
……秘されたって……さっきポロリ見て大喜びしてたクセに。
しかもその前は散々チュッチュしてたし。
日置の感覚はよくわからない。でも『構図』とか言ってるし、カメラ的な目線で見たらわかるのかな……?
「見せパンも穿かなきゃだから、手、離して」
日置がスカートの中からパッと手を抜くと、落ちてたカボチャパンツを拾ってくれた。
オレがパンツを受け取ろうとするけど、日置が手を放さない。
「……?こっちも穿かせたい?」
「あ、は、穿かせたいけど、それより……その……こっちは見せパンだから撮ってもいいヤツなんだよね?」
「え…………」
かなり力を入れて掴んでるのか、下着を掴んだ日置の手がちょっとプルプル震えてる。
「ラブちゃんがコレを穿くシーンを……撮っていい?」
「……………………」
まだ撮るのかよ……。
さすがにもういいだろ。
しかも、よくわからないけど……なんか……恥ずかしい……気がする。
「ヤダ」
「ラブちゃん、おねがい」
「変態」
「変態でいいよ。おねがい、ラブちゃん」
必死の懇願に負けた。
それにどうせさっき似たような写真撮られてるし。
てか、やっぱもう同じようなの撮ってるから、ほんと撮らなくても良くないか?
流されて結局OKしてしまったけど、やっぱりちょっと恥ずかしい。
立ったまま前屈みになって、ぐっと広げた白いパンツにまだ片足を通しただけなのに
「ちょっとそのまま……」
興奮気味の日置に、横から、後ろから撮影される。
オーダー通りにゆっくり下着を上げていくけど、やっぱりカメラと日置の視線が気になって、膝や足の指をもじもじとさせてしまう。
「サツマ、もういい?」
穿いてしまっても、スカートに手を差し込んだ状態のまま、ストップをかけられている。
「もうちょっと、あと後ろだけ撮らせて」
……日置……なんでそんなにバックスタイルが大好きなんだ……。
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