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日置くんはスキだらけ9

「んぁっ……ん……く…んん……」 さっきまで指でいじっていた胸に唇を這わせた途端、日置が胸を反らして震えた。 こらえるように漏らす息に、甘く高い響きが少しだけ混じってる。 胸をついばみながら腰をなで上げると、さっきまでとはあきらかに違い、なまめかしく身体をよじり始めた。 「はぁ…ふっ……ああ…ラ、ラブちゃんお願い、腕、腕……。んぁくっ」 「後ろにまわしてるから、腕、痛くなった?」 「痛くは無いけど……もどかしい」 「痛く無いなら、そのまま」 「え……なんで……」 密着していた身体を離し、覆いかぶさるようにしてテーブルに横たわる日置を眺めた。 着乱れた浴衣、髪も乱れ、赤い顔に潤んだ目、それで腕を後ろにまわして拘束されてるんだから、そりゃ……。 「すごく色っぽいよ、日置」 そう言って、唇にキスをした。 ん……酒臭いな。 「あふ……ふ……ふ……ふあ……」 「え……なに、なんか、溺れてる?」 息が出来ないほどキスしたつもりはないんだけど。 「そう言うラブちゃんが……色っぽ過ぎるよ。お願い。もう一回……キス」 「一回でいいの?」 目を覗き込んで、ちょっと首をかしげる。 「うっっ……その言い方……ラブちゃんっっか、かわ…っ。い、いっぱい、お願いします」 いっぱいって……まあ、いいけど。 体重をかけないよう気をつけつつ、身体をすりつけるようにしてキスをする。 唇のふっくらトロリとした感触を楽しみながら、同時に身体もなでていくと、日置の目が酔いがまわっていた時のようにとろけてきた。 「んぁ…んん……」 時々、愛撫に反応して身体を跳ねさせ、足をオレの足に絡めてくる。 甘い声を鼻から漏らすのも可愛い。 「日置、キス、好きだな」 「ん…好き……。好き。ラブちゃん……俺……」 「何?」 聞きながら、クリッと乳首をいじると首をすくめて身体を跳ねさせた。 「ん…んあ……もう……意地悪するなよ……」 「意地悪なんかしてないだろ?日置の気持ち良さそうな反応が嬉しいだけ」 「あう……うれし……いの?俺が、変な風になるのが」 「変……なのは……。いや、色っぽくて良いよ?」 変なのは、オレの写真を撮ってるときだろ……と、言いたかったけど艶めいたムードがブチ壊しになりそうな気がして自主規制。 「俺の……どこが?ラブちゃんのほうが、ずっとずっと色っぽくて可愛い」 どこがと聞かれても……色づいた肌に、着乱れ浴衣、少しだけ汗で髪が額に張り付いて乱れてるのも、唇や乳首が濡れてぷっくりしてるのも、どこもかしこも色気全開なんだけど。 腕の拘束を解こうと、時々綺麗な眉をしかめて身体をよじるのもエロい。 まあ、今どんな風に見えてるかなんて、自分じゃわからないからな。 「日置には、オレのほうが色っぽく見えるんだ?」 「それは……もちろん!こんな……ラブちゃん。っ…はぁ……」 形のいい目が夢見るように細められる。 コイツの目には何か特殊なフィルターでもかかってるのかもしれない。 だから、あんな写真が撮れるんだろう。 鏡で見るオレと、写真の『イブ』は全く別人みたいだった。 そして今も、自分で思ってる『オレ』とは全く違う『ラブちゃん』がコイツの目には見えている……。 「じゃあ日置、オレに負けないくらい色っぽい姿、見せてよ。ガマンしないで、キモチ良く乱れて?」 「え……無理……むりだ」 「どうして?」 「だから、こういうの、なれてないんだって……」 ……まあ、そうだろうな、普通なら逆の立場だろうし、組み敷かれて喘がされるとか、慣れてそうには見えない。 けど……。 じっと日置の目を見つめながら、すっかり反応の良くなった乳首に唇をふれさせる。 「余計なこと考えないで、キモチイイことだけ感じ取ってよ?」 「あ……ふ……ら、ラブちゃん……無理だって……んん……恥ずかしい……」 「ココにキスされると、気持ちよくなっちゃって、恥ずかしい……?」 日置が赤く染まった顔をそらした。 それまでオレのことをじっと見てたくせに、自分も見られてるって気付いたら、急に反応が可愛らしくなってきたな。 「ん…くん……っっ」 あきらかに胸で感じ始めてるのに、甘い息を漏らしながら、キュッと目をつぶってそれに耐えている。 「日置、気持ちいいって言って?」 「や、いやだ」 低い声で、絞るように答えながら、そのあとに漏れてくる息づかいには、すれたような高い音が混じる。 うっ。ガマンする日置……かわいい……。 「あくっ。う……ん!」 やっぱり腰回りが弱いらしい。なでると身をよじって震える。 そして、落ち着きなく足を絡めてきた。 「うう……ん…っ、んっ、んんっっ、んはぁ……!ぁあ……!」 腰や脇腹をなでながら、胸への刺激を続けると、少しづつ喘ぎ声が増え始めた。 カタンカタンと机を鳴らして、こらえきれないとでも言うように身もだえる。 身体は敏感に反応を返すけど、まだ強情に声をガマンしてるのが……可愛い。 こんなふうにされると、余計に理性飛ばして快楽に溺れる日置を見てみたくなってしまうじゃないか。 「ぁあっ…く……ラブちゃん……お願い、んくっ…腕、本当に、腕、ほどいてお願い」 「ん〜。もう少し上手に色っぽい声が出せるようになったら、ほどいてあげる」 「そんな……んっ……無理だって、俺、ほんとに、ぁあっん……」 「無理じゃないって」 さらに喘がせようと、張りつめまくってる日置の下半身に手をやった。 ガチガチになってるソコに手をふれた瞬間……。 ガバッッっと、半身を起して身体をよじり、日置が逃げた。 「え……???」 なんか、前にもあったな、こういうの……。 「あ……そのっ、早……いや、対策が……その……」 「は?対策?」 「いや……なんでも、その……ちが……いや……」 なんだかしどろもどろになっている。 またオレが手を伸ばそうとすると、腕をがしっと掴まれた。 ……え、結んでた手、抜いたのか。 さっきまでジタバタしてても全然抜けなかったのに。 「そこまで、嫌なんだ」 「いや、ちがっっ!!嫌なんじゃなくて、その……」 「いいよ、嫌なら、もう……」 「嫌じゃないっ!嫌じゃないけどっっ。えーっと、ここじゃ、スタッフルームでそこまではさすがにマズいだろう?だから、その、嫌じゃないんで、別の場所で……違うところで……握ってくださいっ!」 ……握ってくださいって……。 とりあえず、必死なのはわかった。 たしかに言われてみれば、こんなとこでちょっとやりすぎた気もする。 スタッフは大丈夫だろうけど、酔った店長がフラッと戻って来る可能性はゼロではないし。 「じゃ……コレ、どうする?」 元気一杯な日置の下半身を指差した。 「自然に治まるだろうから……」 「オレと一緒にいて、自然に治まる?」 「う……」 日置がわかりやすくゴクリと生唾を呑み込んだ。 さわって欲しいなら、やせ我慢しなくて良いのに。 てか、この流れだとオレも我慢? ……とはいえ、確かにここでこれ以上するのはマズイ。 しょうがないか〜〜〜。 クッと日置を引き寄せて、軽くキスをひとつ。 そして、抱きしめるように背後に手をまわして、結んであった浴衣の袖をほどいてやった。 「トイレ、行って来いよ」 「あ……そ、そう…だな」 恥ずかしそうな、きまり悪そうな顔をして、日置がスタッフルームを出て行った。

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